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zoom RSS 国際航空宇宙展始まる 川崎重工の広報体制を憂う

<<   作成日時 : 2012/10/09 18:41   >>

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 さて、国際航空宇宙展が始まりました。取材に来ています。

 
 
画像

 川重のブースのBK117です。


 で、川崎重工のブースに行ったのですが、本社の広報関係者は午前中でお帰りになったそうです。
 どうもオープニング式典に参加するエライ人のアテンドだけがお仕事だったようです。
 あまりこのイベントは同社にとっては大したことがない、というわけでしょう。
 UH-X官製疑惑の最中もあり、これでいいんでしょうかね?

 で、今回ぼくは本社の広報に以下の点を尋ねたかったわけです。

 ぼくは防衛省を取材したおり、UH-Xの完成予想図の提供を広報部に求めました。
 ところが広報部長の判断としてCGは提供できないとのことでした。
 そのCGは既にリリース用として媒体にばらまかれたものでした。
 そこで疑問が二つあります。
 疑問1)普段は防衛省の許しがないと情報をリリースできないと言いつつ、防衛省が協力した
   取材、つまり同省のお墨付きがあるにも関わらず、提供をなぜ拒否したのか。
 疑問2)リリースした写真、CGなどは自社に不利な記事には使わせないのか。

 リリースしたCGはぼくも入手が可能でした。それをそのまま使っても問題はありませんでしたが、仁義を切ったわけです。
 
 ところが、UH-Xのスキャンダルでは多くのメディアが同社のHPにある件のCGを転載していました。
 当然記事内容は川重にとっては触れて欲しくないことです。

 疑問3)川崎重工広報部はこれらについて抗議をしたのだろうか?
 

 で、現場では航空宇宙カンパニー営業本部、長井秀文営業管理部長が対応に出てきました。
 彼は、件のCGは既に各社が勝手につかっていますから、あなたも勝手に使ってはどうですかと言いました。

 おいおい、です。
 赤信号、みんなで渡れば恐くない、を勧めるのでしょうか。

 いやしくも広報の責任者が自社HP内容は勝手に転載しても宜しいと発言するのは如何なものかと思います。

 それは会社としての方針ですか、と尋ねると「私個人の意見です」と言う。
 ぼくは長井秀文という人物に個人的に話をしているわけではありません。川崎重工の航空宇宙カンパニーの広報責任者である長井秀文氏に会社としての見解を聞いているのです。
 
 つまり長井氏は責任者としての判断を下せない、といったのと同じなわけです。まあ、普通の会社ではPR責任者以前にビジネスパーソンとして失格ですし、そもそもその程度の決断ができないならば管理職になれないはずです。
 まあ、川崎重工では違うのでしょう。

 
 長井氏はぼくのことをまったく知りませんでした。
 別にオレ様の名前も知らないのか、と憤るつもりは毛頭ありませんが、ネットで「UH−X」とか「官製談合」で検索するとぼくの記事やブログが多く出てきます。長井氏はUH−Xのスキャンダルの対してネットでの情報の伝播にまったく無関心だったことになります。
 今日日ネットにまったく無関心というのは広報担当者として失格では無いでしょうか。


 この程度の対応ならば広報なんて高いサラリーの部長さんではなく、アルバイトに任せたら宜しいでしょう。
 
 
 同じ話が延々ループした結果、リリースした写真などイメージはご自由にお使いくださいという話に落ち着きました。ぼくはそれでOKですが、となると航空宇宙カンパニーと本社の広報では主張がまったく異なるということになります。

 ぼくはこの問題で同社の広報の体制に疑問を持ち、多くの公開質問状をブログで公開しました。で、その後UH-Xのライフ・サイクル・コストスキャンダルが起こったわけですが、UH-Xで検索するとぼくのブログがいくつも上位にでてくるわけです。
 結果、すべての全国紙、その他のメディアがぼくのところに取材に来たわけです。対応が面倒くさかったのですが、すべての記者に対して懇切丁寧に説明してあげました。今後事件の進展があれば更なる取材がくるでしょうが、ぼくはすべて受け付けるつもりです。

 また最近は永田町で講演することも増えているのですが、この件を結構話しました。

 件のCGの件がなければここまで熱心ににはやらなかったでしょうに。
 つまり川重本社の広報はダメージを自ら広げたことになります。

 既に防衛省は関係者を告発しましたが、川重側の人間も告発されるでしょう。
 例えば当時プロジェクトの主席だったS氏とか、営業ヘリ部のS基幹職とか、K副部長とか。



 すべてを守ろうとすると、すべてを失うという言葉がありますが、こういう無責任な広報体制の企業は不祥事があったときに自ら傷口を広げます。
 普段からメディアに対してできるだけ情報を開示する、特に不利な情報を開示するという姿勢がないと、不祥事に際しては余計に隠そうとします。当然メディア側はこうなると会社が何を言ってもすべて信用しなくなります。ですから、益々状況が悪くなります。 

 本来広報の仕事はダメージ・コントロールです。それを理解していない。責任ある立場の人間が上の顔色だけ窺って責任を持たない。それが同社の病根ではないでしょうか。

 また同社は防衛装備品に対する対価が税金から支払われており、その税金は納税者が払っているという意識が欠如しているようです。防衛省の顔色さえみていればいい。

 しかも防衛部門の情報を極度に制限することは株主に対しても、必要な情報を提供していないことになります。当然この会社のIR活動は信用できない、ということになります。
 これは上場企業としても失格ということです。

 そして、何でも隠そうとする広報の体制は、何かあったときのダメージを自ら何倍にも拡大することになります。オリンパスのスキャンダルなどその好例です。


 川崎重工の株価が低迷する道理です。


 
朝日新聞、WEBRONZA+に以下の記事を寄稿しております。

【UH−X官製談合疑惑と日本のヘリメーカーの病巣(1)】 国営企業的体質?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012090700002.html

【UH−X官製談合疑惑と日本のヘリメーカーの病巣(2)】 問われる調達計画
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012091000008.html?iref=webronza

【UH−X官製談合疑惑と日本のヘリメーカーの病巣(3)】 単価は妥当か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012091300014.html


清谷信一.【UH−X官製談合疑惑と日本のヘリメーカーの病巣(最終回)】 防衛省は意識変革を
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012091400007.html?iref=webronza

【国産哨戒機P−1の開発は中止すべきだ(1)】 高すぎるコスト
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012090400012.html

【国産哨戒機P−1の開発は中止すべきだ(2)】 安価なP−3C近代化
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012090500007.html

【国産哨戒機P−1の開発は中止すべきだ(3)】 システムの開発力に疑問
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012092500014.html?iref=webronza


さて防衛調達問題を知るためにいかがでしょうか。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
疑惑にたいする質問をされては困るというので逃げたのでしょうね。
こういうことで大丈夫か?ですね。

きのうウェブリブログが繋がらなくてお手上げでしたが、某国からのサイバー攻撃でしょうかね?
日本もサイバー部隊を常任させた方がよさそうですな。
これからは、直接的な武力よりこちらのほうが重要になってきそうです。
(=^・・^=)
2012/10/10 07:05
以下のようなコメントがありました。

JA2012の防衛セミナーに参加されて、積極的な質問をされていましたね。キヨタニ先生にとっては、とても満足のいくような回答ではなか
ったと思いますが、それであっても盗電はいけません。 僅かな綻びで一気呵成とどこの輩が追求することもございますので、ご注意下さい。
IPアドレス 120.74.146.131

恐らくぼくが会議場でパソコンを使用した際に近くのコンセントを使ったことを指していることだと思われます。ですが会場側は会議室内でパソコンの電源をとることは問題ないしています。大抵の会議室ではそうです。

これを盗電というならば、取材者側がプロジェクターを使っていたことも盗電ということになります。

あまりに程度の低い誹謗中傷です。

現場にいたのは大抵産業関係者あるいは防衛省関係者でしょう。

ご本人の謝罪がないならば、IPアドレスから本人、所属団体を割り出して責任を取るつもりです。その場合、とういう事態になるのかは容易に想像がつくかと思います。

その程度のご覚悟があってのコメントと承知しております。
キヨタニ
2012/10/15 11:33
引用されたコメントは、敢えて承認した上で上記コメントを追加すべきだったと思いますね。
でなければ無視するか。

まぁ、すでに新しい記事で言及されているようなのでこれ以上は書きませんけども。
Null Devices
2012/10/16 12:56

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