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zoom RSS 陸自に海兵隊はつくれない

<<   作成日時 : 2012/10/29 13:48   >>

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 現在陸幕では水陸両用部隊に関する研究が徐々に進んでいます。

 ですが、ぼくは陸自に「海兵隊」的な部隊は作れないと思います。できてもろくなものにはならないでしょう。

 それは陸自内部のでの利害調整ができないからです。

 陸自内では普通科、機甲、施設、特科など色々な兵科に配慮しないと出世できません。ですから、戦車なんて減らしてもいいと思っても、「いやいや、戦車も必要ですね」となります。つまり全部が重要というわけです。
 つまりダイナミックな変革は不可能な組織だからです。

 優先順位がつけられない、決断ができないということは、当事者意識に欠けるということだけではなく、軍人としての資質としては致命的な欠陥です。
 そのような欠陥が多い学校秀才ばかりが出世したから前の戦争でボロ負けしました。

 UH-X談合の件でも平気で現場に責任をおっかぶせようという組織です。果敢な決断なんかできるわけはありません。

 それにそもそも陸自は戦争する気がまったくありません。

 一例を挙げれば、せっかく導入したファーストエイドキットもPKO用と国内用を分けて、国内用は医師法に配慮したプアなものが導入されたりしています。装甲野戦救急車すらありません。
 無線機が通じない、数が足りないことは先の東日本大震災でも嫌と言うほど思い知ったはずですが、抜本的な改革はされていません。
大震災での出動は大成功だったと自画自賛しています。そら、現場の部隊は頑張ったでしょう。ですが、様々な問題が露呈しました。ところが大成功だったとして、これらの深刻な問題を隠してしまった。あるいは無かったことにしてしまいました。

 また評価用のAAV7にしても新品が欲しい、なんて悠長なことをいっているのは中国の脅威を真剣に受け止めていないからです。またAAV7が要求に合致しなかった場合のプランBもありません。

 前にも書きましたが陸自には時間という概念がありません。20年ぐらい先になんとか水陸両用部隊ができるまで中国は何のアクションも起こさない、とタカをくくっているのでしょう。 
 で、将軍たちは組織内の政治ごっこばかりやっているわけです。
  


 水陸両用部隊をつくるならば一部の装備と人員を海自に移行して、海自の組織として作るべきです。装備の調達やど諸々で陸自の一個師団ぐらいは潰す必要があるでしょう。ですが、そのような決断は陸自にはできません。

 
 そもそも大抵の国では海兵隊や海軍歩兵は海軍の所属です。

 このような部隊は水陸両用戦闘だけではなく、艦艇の停泊地での警備、艦艇内での警備、外国での自国民の保護(我が国では法的に現状無理でしょうが)、舟艇などによる沿岸部のパトロールなどの任務も行います。

 水陸両用戦にしてもこれは海軍の輸送力や上陸支援とも密接に関わって来ますから、海自の中に部隊をつくった方がスムーズにいくでしょう。

 陸自から一個師団あるいは2個師団程を削減し、人員を海自に移します。当面一個増強連隊規模の水陸両用部隊と支援部隊をつくり、余った人員は海自の陸上任務に就ければ宜しい。これで海自のプロパーの隊員達を各艦艇に振り向ければかなり艦艇の充足率は高くなるでしょう。

 陸自は二個師団が減りますから、その分人件費も少なくなます。また部隊数も減りますから、その分残った部隊の装備近代化のための予算を実質的に増やすことができるようになります。
 守るべきは連隊長のポストの数ではなく、国です。
 














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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
昔の海軍陸戦隊のようなものを海自に造ればいいんでないの。近くに竹島という絶好の演習場もあるわけだし。水陸両用車両なんて古い。オスプレイで空から強襲すべし。ヘリ空母も持ってんだから。
そんなの
2012/10/29 19:13
守るべきは国ではなく、連隊長のポストの数なのでしょう>陸自

第一、二個師団減ればその分の予算は海自に取られるか、防衛費そのものが削減されるでしょう
明日はどっちだ、そもそも明日はあるのか
2012/10/29 20:00
この前水陸両用部隊編成のニュースを聞いて、やっと始めたかと思ったのですが、AAV7を4両購入とか聞くと少なすぎないか? と感じました。
戦争をする気のない軍隊というと自分には第二次大戦の時のイタリア軍が思い浮かびます。今でも「ヘタリア」なんてマンガになるくらいの醜態をいずれ「日本軍」がさらさないか、結構真剣に心配してしまいます。
SNK22
2012/10/30 22:20
陸自がいいか海自がいいか判断は今のところ明確な判断はできませんが、教育や運用・装備・そして配備規模が小さいことが予想されますので、まずは陸自の海兵隊化がいいような気がします。
統合運用を強力に進めればの話ですが・・・
まあ海自は余計な輸送艦は欲しくないでしょう。
本当は最低でも3倍以上は必要なのに、護衛艦等が削られるので拒否したいところでしょうね。
一番いいのはやはり防衛費の増額です。
陸海空各自衛隊の予算配分は必要最低限でほぼ決まっているので、削りようが無い。
増額して、その分上陸作戦用の装備・部隊にも多く振り当てるべきですね。
もちろん陸自の近代化・ヘリ・オスプレー・各種無人機・原潜を含む潜水艦・精密誘導兵器・特殊部隊・空母・戦闘機・空中給油機・輸送機等の大幅定数アップと新規導入・研究開発費の大幅増額が求められますね。
軍事オタク
2012/10/31 15:02
陸自がいいか海自がいいか判断は今のところ明確な判断はできませんが、教育や運用・装備・そして配備規模が小さいことが予想されますので、まずは陸自の海兵隊化がいいような気がします。
統合運用を強力に進めればの話ですが・・・
まあ海自は余計な輸送艦は欲しくないでしょう。
本当は最低でも3倍以上は必要なのに、護衛艦等が削られるので拒否したいところでしょうね。
一番いいのはやはり防衛費の増額です。
陸海空各自衛隊の予算配分は必要最低限でほぼ決まっているので、削りようが無い。
増額して、その分上陸作戦用の装備・部隊にも多く振り当てるべきですね。
もちろん陸自の近代化・ヘリ・オスプレー・各種無人機・原潜を含む潜水艦・精密誘導兵器・特殊部隊・空母・戦闘機・空中給油機・輸送機等の大幅定数アップと新規導入・研究開発費の大幅増額が求められますね。
軍事オタク
2012/10/31 15:02
この記事とは直接関係無い内容ですが、清谷氏に質問がありますのでこの場を借りさせていただきます。
2012年12月号(今月号)のコンバットマガジンでの清谷氏のコラム「Rare Military Technology 平成25年度防衛省概算要求を読む(後編)」の106ページ、左上の画像の解説、「MINIMIレシーバー上に搭載された個人用暗視装置。」についてです。
あれは暗視装置ではなく、交戦用訓練装置、いわゆるバトラーではないでしょうか?
画像参照元の防衛省25年度概算要求を閲覧・確認しましたが、同画像の説明は交戦訓練用装置となっておりました。本来ならメールでお伺いするのが正しい方法だったかもしれませんが、私と同じく疑問に思った方もいらっしゃるのではないかと考え、オープンなコメント欄で質問するに至りました。
何分、私は素人ですので勘違いという事もあるかもしれませんが、是非とも返信して頂ければ幸いです。
sakura
2012/10/31 20:47
写真に関してはご指摘のとおり、事実誤認の可能性があります。事実関係を確認した上で、本欄で報告します。
キヨタニ
2012/10/31 22:19
素早い対応感謝いたします。
お待ちしております。
sakura
2012/10/31 22:40
お邪魔します。
 日本の中で自衛隊は例えば「結果や成果が求められる」といった"外"との関わりが極めて少ない集団です。そういった中では「仲間内の人間関係」が"全て"になるのでしょう。その元をたどれば「戦争を放棄した憲法の下での軍隊にあらざる組織」になると思います。ですから日本が戦争放棄をやめた暁には、幕末に(日本の)軍学が役に立たずヨーロッパから兵学を導入せねばならなかったように、ゼロから軍隊を作らねばならないのではないでしょうか。
ブロガー(志望)
2012/11/09 00:09
催促するようで申し訳ないですがバトラーの件の事実関係は確認できましたでしょうか?
sakura
2012/11/12 21:20
現在陸幕広報室に照会中です。先方から連絡がありしだい掲載します。
キヨタニ
2012/11/13 11:28
sakura様

確認が遅くなって済みません。
この件は他の予算関連の話とともに陸幕広報室にリクエストを出したのですが、予算関連には回答できないとのことでした。25年度予算に計上された後だと状況が変わるかと思います。
キヨタニ
2013/02/04 12:26
なるほど。では仕方ないですね。忘れずに対応していただいて感謝いたします。
sakura
2013/02/23 23:29

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