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zoom RSS シェールガス革命と日本の安全保障

<<   作成日時 : 2012/10/26 18:22   >>

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  昨日もNHKの「クローズアップ現代」でシェールガスを扱っていました。
 そのなかで、米国のエネルギーの中東依存が減るとありましたが、やっとこういう報道が日本でされるようになりました。


 ぼくは4年以上前からGTLの合成燃料とその主原料である、天然ガスに注目すべきと主張してきました。これは米軍が合成燃料の導入を計画してきたからです。

 当然ながら合成燃料導入では燃料費の削減ということが一つの目的です。 また環境負荷の低減も目的です。

 ですが、米国防省や米政府が狙っている最大の利点はおそらくはエネルギーの中東依存を減らすことです。
 現在米国はかなりの戦力を中東に貼り付けておりますが、仮に中東で一滴の石油も産出されなかったとするならば、現在のような状態になったでしょうか。


 エネルギーの中東依存を減らせるならば中東地域に対する軍事プレゼンスもさほど必要になりません。

 ところが昔から我が国はエネルギーの中東依存が高すぎると言われながら、未だに依存率が高止まりのままです。ぼくが合成燃料導入について報道し始めてから大きな動きはありません。

 アメリカが中東へのコミットメントを減らし、結果石油輸入が困難になれば困るのは我が国です。
 自民党も民主党政権もこの点まったく興味が無かったようです。
  

 これはメディアの問題でもあります。
 つい最近までシェールガスのシの字も報道がありませんでした。ですがシェールガス革命は我々の生活に大きな影響を与えます。自動車の燃料を石油由来のガソリンや軽油から合成燃料に切り替えれば、かなり燃料費は安くなります。


 ロシアは国家歳入の半分をエネルギーに頼っていると言われますが、シェールガス革命でガスや石油の値段と需要がさがり、結構大変なはずです。
 ガスの購入とからめて北方領土の返還を促進するべきです。

 現状が続けばロシアは、外貨の不足に陥るでしょう。特に問題はシベリアです。シベリアでは人口が減る一方です。そこに中国から人口が流入しているわけです。あと30年も放置すればシベリアは中国領になる可能性があります。そうなった場合北方領土を抱えていても何の役にも立ちません。
 しかも現状でも北方領土は金食い虫です。我が国が攻めてこないにも拘わらず、過剰な防備を固めています。

 まあ、合理的に考えて行動できないから領土問題は解決できないのですが、現状はロシアをくどくいいチャンスです。
 シベリア鉄道の再開発もいいでしょう。欧州から日本までフネより早く、飛行機よりも安く貨物の輸送が可能となるならば、シベリアも栄えるでしょうし、我が国にとっても大きなメリットとなります。



 さて米国の中東関与が減ると困るのがイスラエルです。米国の対イスラエル支援も大きく見直される可能性もあります。今米国内のユダヤロビーは色々と画策をしていることでしょう。

 中東で米国のプレゼンスが減退すれば、存在感を増すのはトルコです。イスラム圏ではあるが、アラブではない。EUとも地理的にも商習慣でも近い、ロシアとも地理的に近い、しかも工業国として成功しつつあり、国若年層も多くて勢いがある。
 今後中東の安全保障でトルコの存在感は大きく高まるでしょう。


 我が国も政治までもが原発を全廃するだとか、太陽電池で置き換えるだとか空絵ごとや与太話の類をやっている場合ではないでしょう。
 シェールガスを含めた天然ガスの低価格での調達、合成燃料の導入などに真剣に取り組むべきです。またそのためのスプリングボードとして自衛隊を利用すべきです。

 エネルギー問題はソロバン勘定だけでなく、優れて安全保障問題です。



我が国は合成燃料導入を
http://kiyotani.at.webry.info/201206/article_3.html

自衛隊とFT合成燃料
http://kiyotani.at.webry.info/200801/article_4.html

FT合成燃料の将来性
http://s.webry.info/sp/kiyotani.at.webry.info/200805/article_17.html


なぜ合成燃料を積極導入しないのか
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011032300006.html
合成燃料(2)軍用車両でも威力を発揮するFT燃料
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011032400009.html
合成燃料(3)官民あげて自衛隊の省エネを推進せよ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011032900004.html

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
まあ、武力だけでなく、ありとあらゆることが国家の存亡にかかわっているわけでありますからね〜
しっかり、して欲しいもんです。
トルコが、かつてオスマン帝国と呼ばれる巨大な国家であったことを知らない輩は多いんでしょうな。
(=^・・^=)
2012/10/27 07:04
過去の記事で、FT燃料は合成燃料であるため、
NOxなどの問題がなくなる旨記述がありましたが、
NOxのNは空気中の窒素から来ていますので。
ご存知かもしれませんが。
TBDD
2012/10/27 07:29
そうですね、米国が中東依存度を劇的に減らし、プレゼンスが効かなくなった場合のリスクを考えて、我が国はエネルギー安全保障を考えるべきでしょう。

原発ゼロなどとんでもない。50%くらいにしてもいいのではないでしょうか?

地下貫通爆弾1000発くらっても大丈夫なような地下原発&高速増殖炉をなんとか開発させ、核燃料リサイクルを推進し、原発による、純国産ではないが、準国産電力を保有すべき。
地下原発は安部さんも賛同してましたけどね。
原発は今後は全て地下にすべきですね。

その他は、日本近海でとれるメタンハイドレートの開発や、尖閣に眠る石油の開発、
オーランチオキトリウム等の藻からとれる石油の開発。
沖合い洋上風力発電・地熱発電所をできるだけ増設し、太陽光発電&温水器の利用促進等で、
中東に頼らない我が国でエネルギーを全て賄えるくらいの水準にすべく、研究開発と設備投資を大いにすべきでではないでしょうか?

安全保障の観点から、エネルギーのありかたを国民に広く説明し提示しないと方向を間違うのではないかと危惧しています。
軍事オタク
2012/10/27 14:40
原発を有効利用することには賛成ですが、
シュールガス革命で中東への依存度を下げることが
できるのでしょうか?

http://agora-web.jp/archives/1494121.html
この記事によるとシュールガスは採掘効率が
悪くシュールガス革命は幻想とあるのですが。
名無し
2012/10/27 19:54
日本がアメリカへの依存度を減らせなければ、ロシアは領土問題の解決を行えないでしょう
unimaro
2013/02/15 22:55

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