清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS 川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その2 UH-X

<<   作成日時 : 2012/07/24 11:56   >>

面白い ブログ気持玉 10 / トラックバック 21 / コメント 4

 さて、現在UH-Xの開発は結構困難を極めているようです。特に問題がエンジンです。
 三菱重工が開発しているTS2は性能が十分ではなく、価格も一基4億円だそうです。

 となれば、ニ基で8億円。とてもUH-Xの予定調達単価である一機12億円程度に収まりません。
 一機20億円程度にはなるでしょう。

 で、現在プランB が検討されているようです。
 これには、ロールス・ロイス とハネウェルの合弁企業、LHTEC社が開発、生産T-800が挙がっているようです。これは既にぼくがUH-Xの予算が付く前から報じているところです。

 が、これすらも単価が高くて一機12億円に納めるのはかなり厳しいとのことです。

 つまりUH-Xの計画は当初からかなり杜撰なものでした。
 TS2の単価が高くなることは当初からわかりきっていたことです。

 このまま行けば、UH-Xは量産が中止になるでしょう。無理やり生産を行うならばOH-1同様に少数が生産されて、調達が打ち切られることになるでしょう。
 またOH-1同様に作ってしまった機体の補修パーツは極めて高価になり、予算を圧迫することになるでしょう。
 川崎重工はOH-1の失敗から何を学んだのでしょうか。

 開発が中止になれば、約300億円の開発費はパアになります。 

 またOH-1同様に少数の調達にとどまれば、開発費、初度費(TS2の開発、初度費も含まれます)一機当たりの調達単価は数十億円になるでしょう。またOH-1同様にパーツのコストは極めて高くなり、しかも後継機種が必要となります。また長い間ニ機種、現用のUH-1を含めれば3機種が混在することになり、運用コスト、兵站負担は極めて高いものになります。

 川崎重工はそれでも損はしません。開発費も初度費もまるごと支払われます。富士重がAH-64Dの生産中止で被ったような初期投資が回収できなくなる、ということはありません。

 損をするのは自衛隊の現場と我々納税者です。

 それとも悪いのは防衛省だ、技本だ、陸幕装備部航空課だ、自社は言われたとおりにやっただけで、全く責任はない、と当局のせいにするのでしょうか。

 UH-Xは防衛省以外のマーケットにも売るとしていますが、そのためには型式証明を取るなどのコストが掛かります。売れると見込んでいるからにはある程度の販売戦略があると思います。それと単なる願望なのでしょうか。

 そういえば、以前衣笠なる人物から電話でUH-Xの記事のCG提供を拒否された時に(こちらにはメールで依頼を出せ、内局の担当者の氏名所属も全部書面で出せといっておいて自分たちは「証拠が残らないように」電話ですか?)、広報部長の判断ですか、広報部長のお名前は?と尋ねたら口ごもったまま教えて貰えませんでした。
 でも部長の名前なんか調べればすぐにわかるのにね。この点でも同社の広報はプロ失格ですよ。

  
 質問2−1
 TS2の単価が約4億円というは本当か。
 

 質問2−2
 代用案として挙がっているT-800の単価はいくらか。またそれ以外に代用案があるのか。 

 質問2−3
 OH-1ベースのUH-X開発案自体に無理があったのではないか。

 質問2−4
 UH-Xが量産されなかった場合、あるいは少数のみが生産された場合、長谷川聰取締役社長以下
 川崎重工執行役員はどのような責任をとるのか。

 質問2−5
 UH-Xプログラムが失敗に終わってもそれは川崎重工には一切の責任はなく、その責任は防衛省、技本、
 陸幕装備部にあるのか。
 
 質問2−6
 川崎重工ではUH-Xを民間機に転用して販売する予定があると聞いているが、それはどの程度真剣な話なのか。一基4億円、実績のない国産エンジンを搭載して本当に防衛省以外の顧客がつくと思っているか。

 質問2−7
 OH-1調達が34機で終わったことに対する社内的な反省、あるいは検証が行われたのか。

 質問2−8
 OH-1の調達に関して納税者に対する責任は川崎重工にもあると考えるのか。それとも全ての責任は防衛省にあると考えているのか。

 質問2−9
 UH-Xの防衛省需要以外、即ち国内外の警察。消防など公的機関、民間市場への売り込みの勝算はどの程度見込んでいるのか。またどの程度真剣に考えているのか。

 質問2−10
 川崎重工では広報部長の氏名は企業秘密になっているのか、あるいはプライバシー保護のために公開していないのか。ただそうなるとネット上では広報部長が容易に検索できるのはなぜか。広報部の情報管理体制が甘いのか。

 
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しております。
ファンボロー航空ショーで米国がオスプレイを公開した意図とメディアの問題
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012072000011.html
オスプレイの安全性を客観的に分析し、自衛隊の採用も検討すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012072100003.html


 
 関連記事

川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その1
https://bblog.sso.biglobe.ne.jp/ap/tool/newsedit.do

川崎重工広報部の見識
http://kiyotani.at.webry.info/201206/article_2.html

川崎重工、橋梁部門から撤退検討
https://bblog.sso.biglobe.ne.jp/ap/tool/newsedit.do

陸自UH-Xが日本のヘリ産業を潰す
http://kiyotani.at.webry.info/201008/article_21.html

C―2の重量超過問題と空自の隠蔽体質について
http://kiyotani.at.webry.info/201103/article_6.html

【ファンボロー航空ショー3】日本の航空機メーカーは商売をする気があるのか?
http://kiyotani.at.webry.info/201007/article_9.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 10
面白い 面白い 面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

トラックバック(21件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その3 MCH-101
 以前から、海自の掃海・輸送ヘリ、MCH-101の稼働率の低さが問題になっています。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/07/26 15:00
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その4
 さて、最近川崎重工広報部長への公開質問を継続します。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/07/28 17:54
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その5
 海自が現用哨戒機、P−3Cの後継として開発している哨戒機、P-1は開発が難航を極めています。機体は勿論搭載機器も同様です。既にご案内のように、NECが開発してきたソノブイのデータ処理システムは数十億円の開発費をかけましたが、開発に失敗カナダ製のシステムを沖電気がライセンスする方向で話が進んでいます。    ところがNECそれも採用し、それぞれにパッシブ・アクティブのソナーのデータを振り分けよう、という「大人 の話」も進んでいるといいます。それが本当ならばとんでもない話です。しかもカ... ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/07/28 18:50
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その6 XC-2
 さて、現在技本(実際は川崎重工)が開発中である、空自の次期輸送機XC-2の開発が難航しております。    既に報道さているようにXC-2は機体の強度不足と、重量超過で開発が遅れております。空自は東芝の偵察システムは能力が不足だ開発遅延だと切り捨てたのにXC-2に対しては能力が不足でも、開発が遅延しても、追加の開発費を本年度に支出しても開発を継続しています。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/07/30 17:55
川崎重工の品格 UH-X官製談合疑惑
次期多用途ヘリで受注調整か=川崎重工を捜索―東京地検 http://jp.wsj.com/Japan/node_506686 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/05 20:21
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、 長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その8
 さて、ご案内のようにぼくは今年6月、UH-Xに関する取材を内局にしました。で、内局はUH-Xの完成予想図は 川崎重工から入手してくれといいました。  これは事実上防衛省から川崎重工への依頼ともいっていいでしょう。通常であれば防衛省が協力した取材に対してメーカーが協力しないことはないからです。    ですが、川崎重工はそれを西野光生広報部長の判断で拒否しました。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/06 09:15
川崎重工 UH-X官製談合疑惑と報道機関の姿勢について
 川崎重工に他社の内部資料 陸自談合疑惑  http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012090690152521.html ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/07 09:40
UH-X談合疑惑そもそも論
 .防衛省ヘリ談合 川重が“代理作成”か 仕様書で受注有利に  http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120907/cpb1209071500005-n1.htm  ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/10 14:42
UH-X 談合疑惑 ニート・ヘリメーカー、川崎重工が日本のヘリ産業を潰す日
そもそも国内ヘリ産業って必要あるんでしょうかね。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/10 15:58
川崎重工 UH-X官製談合疑惑 川崎OH−1は名機か。
   陸自のUH-Xは観測ヘリOH-1ベースで開発が決まったわけですが、はてこのOH-1国内で評判は高いのですが、は名機でしょうか。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/13 10:39
川崎重工 UH-X官製談合疑惑 防衛省、来年度予算でUH-X予算要求を断念
 さて、来年度防衛省概算予算において、UH-Xの予算は要求されておりません。防衛省に確認しました。  まあ、当然のことでしょう。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/13 13:16
川崎重工 UH-X官製談合疑惑 技本の存在意義はありや?
 さて、今回の官製談合疑惑でガサ入れあったのは技本が中心です。明野の飛行学校などもガサ入れがありましたが、これは全て当時技本にいた人間を対象としたようです。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/14 10:22
川崎重工 UH-X官製談合 疑惑 陸自の攻撃ヘリと観測ヘリ調達の???
競合社内部資料 川重が事前入手 ヘリ談合 問われる防衛省関与 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-14/2012091415_01_1.html ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/19 05:12
南アフリカに学ぶこと
 昨日から南アフリカの首都、プレトリアに来ています。  軍事・航空ショー、AAD2012の取材です。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/20 14:49
防衛省 UH-X談合疑惑 トカゲの尻尾切りで強制収束か
佐官級幹部らを刑事告発 防衛省、官製談合防止法違反の疑い http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120928/crm12092812470010-n1.htm ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/09/29 12:54
南アフリカ写真日記 その3 寿司とマッサージ
せっかくなので、ヨハネスブルグのオリバー・タンボ空港(元ヤン・スマッツ空港)で現地系寿司屋に入ってきました。 ケープタウンでは寿司に挑戦しましたが、プレトリア・ヨハネスでは経験がありません。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/01 21:09
UH-X コンバントマガジン8月号掲載記事その2
 現在かつて陸自には約500機のヘリがあったが、現在は約470機まで減少している。陸自ではこれを中期的には350機まで減少させるという。となるとその半分はUH-Xで占められることになる。  削減されるヘリの多くは旧式化し、順次用途廃止となる攻撃ヘリAH-1SやOH-6などとなる。陸幕ではAH-1SおよびAH-64Dの後継となる攻撃(或いは戦闘)ヘリ、単機能の観測ヘリの調達は考えていないようだ。  現在有力なのはUH-Xをベースに軽武装型を開発し、これを攻撃ヘリや観測ヘリの任務などに当て... ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/08 21:39
国際航空宇宙展始まる 川崎重工の広報体制を憂う
 さて、国際航空宇宙展が始まりました。取材に来ています。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/11 00:37
UH-X コンバットマガジン8月号掲載記事その1
 UH-Xの官製談合スキャンダルで、昨今取材するよりもされることが増えて、業務にいささか支障をきたしております。何しろ全国紙のすべて、地方紙やテレビ局などからも取材があり、そのリピートの取材も非常に多くなっております。  毎回同じことを話すのにも疲れたので、今年コンバットマガジン8月号に寄稿した記事を掲載することにします。取材に見える方は事前にこれを読んでいただければ幸いです。  ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/13 18:42
UH-X コンバットマガジン8月号掲載記事その3(終)
 筆者はUH-XとしてBK117を押してきた。BK117は半分が日本製で、これをベースに改良を加えても開発費も初度費も殆どかならない。調達単価は日本では7〜8億円程度だが川重とユーロコプターを競わせればUH-70並の5億円程度に収まる可能性もある。BK117C2は重量約3.6トンながらキャビン容量はUH-1Jに匹敵する。    ペイロードも1.7トンとUH-1Jに匹敵する。UH-Xは開発費、初度費を含めれば実質的な調達単価は予定内に収まっても約14.5億円だ。BK117ならばその半額で... ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/13 18:43
ガミラスの将軍と UH-X官製談合疑惑スキャンダルと
 先日「宇宙戦艦ヤマト2199第三章」を見てきました。  ガミラス帝国の銀河方面軍司令官、グレムト・ゲール少将が「大活躍」するのですが、その人柄、見識が  陸自の将官たちのようだなぁ、などと思って見ておりました。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2012/10/24 10:42

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
〉TS2は性能が不十分ではなく
つまり「十分」との意でしょうか?
簡単な質問の名無し
2012/07/24 19:37
ご指摘ありがとうございました。
訂正しました。
キヨタニ
2012/07/24 21:49
昔から東の水増し重工、西の川うそ重工と言われ、防衛産業は税金を食い物にしている・・・その現実に日々接し、内情に驚き嘆いている業界関係者です。取得改革の断行が不可欠です。厳しい切り口のコメントを楽しみにしています。
トライ
2012/07/25 09:28
営業畑なので、の米ですが、、

>川崎重工ではUH-Xを民間機に転用して販売する予定があると聞いているが、それはどの程度真剣な話なのか。


こういった場合、幾分可能性あるところに打診くらいしているものです。それが無い場合、可能性ゼロとなります。なので、何も動いていない場合は「嘘」「口から出まかせ」としか認められません。
日本ではどーだか知りませんが、日本以外だったらそのくらい突っ込まれますよねw
unimaro
2013/02/15 21:37

コメントする help

ニックネーム
本 文
川崎重工 企画本部 西野光生広報部長、長谷川聰取締役社長に対する公開質問状その2 UH-X 清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる