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zoom RSS MCH-101の整備性

<<   作成日時 : 2012/06/25 23:02   >>

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 海自の掃海・輸送ヘリ、MCH-101の整備性が低いという話をたまに聞きます。

 それが本当ならば、稼働率を上げるためにたった11機しか調達しない機体を、わざわざ輸入の二倍以上のコストをかけて川重が組立生産したのにどうして稼働率が低いのでしょうか。
 
 原型となったAW101他のユーザー、例えばイタリアや英国、更にカナダなどの稼働率を比較している必要があります。この話は噂がひとり歩きをしているようなので、数字を挙げ他国との稼働率の違いの検証が必要でしょう。

  ぼくが知るところでは同機の稼働率が低いとするならばそれは、部品供給の問題のような気もします。
  
 不思議な事に海自用のMCH-101の部品デポは英国にあるそうです。
 当然ながら国内に作ったほうが、部品のデリバリーまでの時間は短縮されます。英国から送れば当然ならが時間がかかります。土日をはさむと1週間ぐらいかかります。その間整備は出来ないことになります。
 当然ながらデリバリーのコストもかなり掛かります。

 しかも海自の関係者によるとMCH-101導入時の見積もりでは、輸入よりも川崎重工によアッセブリー生産の方が調達単価が安かったそうです。特にそれがわずか11機ならばありえないことです。
 川崎重工は魔法でも使えるのでしょうか。

 どうしてそのような試算が出たのは財務省の主計局も大変に興味があるのではないでしょうか。

 チヌークにしても大金かけて、国内生産しています。
 本当に国内生産しないと稼働率が維持できないのか、また二倍から数倍に調達コストを上げてで割にあっているのでしょうか。ぜひとも検証すべきです。
 実際現状問題があるから、VIP輸送用のスーパーピューマはPBLで整備が行われているわけです。

 防衛省はかねてから国内生産か、輸入かの二元論を振り回して、国内生産を進めてきましたが、実際にはその間にはいろいろな手法が存在します。

 チヌークに関しては陸自は世界有数のユーザーです。例えばオフセットでボーイング社に整備工場を作らせ、自衛隊むけだけではなくアジアのチヌークを集中的に整備すれば整備コストはさがるのではないでしょうか。
かつては武器禁輸が厳しく無理だったとしても、緩和の方向にある現在ならば可能でしょう。
 整備はボーイングだけではなく、重工各社や他の整備会社などを競わせるなどという手段もあるでしょう。

 また国内で生産している部品は輸出し、すべてのチヌークで使用してもらう。そうすればコスト削減と同時に国内での雇用も増えるでしょう。国内でアッセンブリーだけが稼働率を高める方策ではないはずです。

 機体に金がかかりすぎるので、搭載装備まで金が回りません。海外では存在するヘリクルー用のNBCスーツもないし、救難用のキット、ハーネスなどの個人装備に至るまで自衛隊は非常に貧弱です。
 
 今後ヘリの装備やそれらを統合するソフトウェアは高度化することが確実です。

 防衛予算にわずか11機を国内生産するような「贅沢」をする余裕はありません。例えば陸自のヘリ予算は約350億円です。調達関連予算が右下がりしていますから、現状が続けばこれが中期的には250億円とか200億円まで下がるでしょう。
 その時点で、いまのように毎年1機、2機のヘリを「家内工業的」に国内生産をするような贅沢は既に許されないと思いますが。





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
イギリス・カナダでも稼働率50%程度で問題になったらしい。今はわからない。
K
2012/06/26 14:51
MCH-101は、仕様上の性能が高いですが、3発エンジンなどでメンテナンス時間と費用が高いからだと思います。南極調査用のヘリCH−101もトラブルがあり予算不足で運行が遅れそうです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120622-00000144-jij-soci

輸入商社(丸紅エアロスペース)+川崎重工は多くの天下りを受け入れているので仕方ないです。
EH
2012/06/28 00:27
昭和基地、ヘリ不足で一時閉鎖も
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120629/plc12062907430003-n1.htm

>今回、壊れたギアボックスは受注生産になっており、修理が終わるまで3年か
かるという。
K
2012/06/29 13:17

武器禁輸も非常にあいまいな制度で、アレはいいのにこれはダメなのか、あるいはその逆なのかってのが時の政権や官と外交(と言うかアメリカ)の都合で随分恣意的な線引きがされてますねえ。

そもそも政治的にも当時の敵国である共産国に武器を渡さないための規制がいつの間にか「平和主義の原則」にすりかえられてましたし

ルールに明確な基準がない、と言うのは規制する側にとってこれほど都合がよく、従う側にとっては不都合な制度は無いですね。
an
2012/07/04 18:47

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