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zoom RSS わずか数時間で日本は中国に占領されるぞ? その3

<<   作成日時 : 2011/02/12 10:42   >>

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わずか数時間で日本は中国に占領されるぞ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5378

JBPRESSに掲載された元陸将・前中央即応集団司令官、柴田幹雄氏の寄稿を引き続き検証します。


 >あろうことか陸上自衛隊は、1000人の削減だという。また火砲も戦車も200門/両減らされ、基盤的防衛力という  平時から持つべき最低限の装備と考えていた数の半分以下に減らすことになっている。

 はて、軍事技術の進歩は30年ぐらいから止まっているのでしょうか。

 現代の戦闘ではインテリジェント化が進んでいます。索敵の技術も進んでいます。相手がどこにいるかを突き止め、それを味方と共有する。それがNCWの考え方です。また、同時に精密誘導兵器を使用すればより少ない兵力でミッションを達成できます。ですから多くの国では戦車の数を減らしても近代化するなり、新型を導入してきたわけです。予算規模が同じなら同じ数の戦車は導入できません。
 同様に空自の戦闘機の数も減っています。空自がセイバーと同じ数だけFXを要求しているでしょうか。

 また多くの国々ではネットワーク化のために部隊を縮小してでも予算を獲得しています。ところが陸自はこの分野では極めて不熱心です。
 人民解放軍は、一部の部隊では既に榴弾砲や迫撃砲の精密誘導弾の導入や砲兵のネットワーク化を進めています。またUAVの導入も熱心です。陸自にはそのような精密誘導砲弾もありませんし、UAVの導入も遅れています。

 対して陸自では偵察用のバイクや音声無線機ですらまともに動くのは3割程度です。実戦が起これば彼我の索敵能力は雲泥の差がでてくるでしょう。


 本来仮想敵よりも質的優位を確保するべきだと思いますが、陸自は質優位の確保に極めて不熱心で、部隊と幹部のポジションの維持に汲々としてきました。結局エライ人達が部隊の数=自分たちのポストを守ることだけを「戦略目標」にしてきたから、近代化が遅れてきたのではないでしょうか。

 いくら最新型の10式戦車を導入しても人民解放軍はISRアセットでこれを探知し、射程外から精密誘導兵器で攻撃すれば対抗できません。
 ネットワーク化されおらず、精密誘導弾も持たない砲兵はネットワーク化されて精密誘導兵器を持った砲兵に勝てません。自衛隊の戦車は敵戦車と交戦する前に撃破されます。

 因みに海自はタレス社の赤外線監視装置、ソフィーを海上監視用として200セットほど導入しています。現在この手の監視装置を歩兵の小隊長、分隊長用として採用する軍隊が増えています。また他の装備と組み合わせて偵察用システムにも使用されています。因みにお値段は1000万円ほどです。
 10式戦車1輛の調達単価ならば100セット、つまり100人の普通科小隊長にこれを支給できます。仮に10式の配備が200輛ほどで終わるとするならば、開発費を頭割りして単価に加えるならば130セットほどが調達できる計算になります。
 
 特に夜間であれば数だけは多い74式は敵の新型戦車だけではなく、対戦車ミサイルを装備した歩兵戦闘車や下車歩兵に対抗することは極めて難しいでしょう。90式導入後も74式の近代化がなされなかったのはどうせ戦争なんて起こりっこないと高をくくっていたからではないでしょうか。
 74式や90式が全部退役し10式に替わるまで人民解放軍は攻めてこないと。もっとも10式に完全に置き換わった時点では既に10式は旧式化しております。


 因みに現大綱では機動戦闘車が戦車枠に入っていましたが、次期大綱では除外されいます。同様に現大綱では火砲に地対艦誘導弾が含まれていますが、次期大綱ではこれまた除外されています。つまり、実際の削減は数字よりも少ないわけです。
 
 まさか元陸将がそのような事実をご存じないのでしょうか。それとも知っていても黙っていた方が有利だから知らないフリをしているのでしょうか。



WEBRONZAにて「店舗・事務所の出店時に必要な保証金が過大すぎる 」
を寄稿しております。http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011012800013.html

同様に『防衛省の装備調達改革と「商社悪玉論」の欺瞞』も本日掲載されます。
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011020900025.html

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コメント(8件)

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「陸自では偵察用のバイクや音声無線機ですらまともに動くのは3割程度です。」

やばいっす。既存装備の稼働率UPを自衛隊は早急に対処すべきです。
たまたま
2011/02/12 18:39
うーん。某月刊誌なんぞを見ているかぎり、我が陸海空の精鋭は他国に優るとも劣らぬ・・・・なんて事にも思えるのですがねぇ。実際はこんな有様なんでしょうね。ま、あまりキツい事を書くと後々、揉めるから書けないというのもあるのでしょうよ。逆に、あまりべた褒めしているのも何ですが(><) それはそうと、今月発売の「軍事研究」にて中国の「北斗」計画の記事が載っております。同記事の最後の方では何やら、ヨーロッパ勢につま弾きにされたイスラエルが同計画に相乗りしそうな事が書かれておりましたが。 で、提供した技術が中国→イラン→ヒズボラと渡り、イスラエルに害をもたらさなければ良いですが。
カッコ
2011/02/12 20:08
キヨタニ先生。機動戦闘車でありますが、アレは結局、普通科・機甲科どちらが運用する事になるのでしょうか。仮に現行の87式偵察警戒車の後継ならば偵察隊=機甲科でしょうし、いろいろ専門誌を見ていても、そこまで触れている出版社はないので、判断できないのですが。ご多忙とは思いますが、よろしくお願いいたします。
カッコ
2011/02/13 15:51
キヨタニ様
本邦陸自でのネットワーク化についてでありますが、「失敗」と評価されているのが残念ながら、野戦用ADPSは、昭和40年代の後半に試作されています。それ以降、現在では、方面隊のAESS、師団以下のDICSの各通信システムに、例えば野戦特科のFADSは連接されております。ReCsも2D・6Dで研究されていますね。通信システムや火力指揮統制システムの後継も開発中であります。対砲・対迫レーダーの運用も、諸外国と比べて遅いとは思えません。また、当日は、気象状況を始め、様々な情報を取得しなければなりませんが、陸自は国内での運用が前提であり、事前標定が可能であります(地誌作成の為の人員が十分とは思いませんが)。これは、対抗部隊には無い大きなアドバンテージであります。確かに精密誘導弾の運用を特科は行っておりませんし、UAVの導入もゆっくりではありますが、「いくら最新型の10式戦車を導入しても〜撃破されます。」とは、少しお言葉が強すぎるかと。そもそも、柴田元陸将の寄稿は、防衛予算を増やす必要があるという論旨でありますので、この前提に対して、縮小する防衛予算の中でどうするかを論じていらっしゃるキヨタニ様が、各論で問題点を指摘されても、議論のすれ違いに終わってしまうと思うのですが。いずれにせよ、御指摘の各論点に関しましては、米軍のFCS計画の多くが頓挫している現状とともに、SA・権限委譲等の技術・運用面を含め総括されるべきとは思いますが。長文、失礼いたしました。
関心
2011/02/13 19:15
この文章はどうかと思う↓

本来仮想敵よりも質的優位を確保するべきだと思いますが、陸自は質優位の確保に極めて不熱心で、部隊と幹部のポジションの維持に汲々としてきました。結局エライ人達が部隊の数=自分たちのポストを守ることだけを「戦略目標」にしてきたから、近代化が遅れてきたのではないでしょうか。

2011/02/14 06:08
>普通科・機甲科どちらが運用する事になるのでしょうか。
知りうる限りでは機甲化が主らしいです。ただ普通科での運用もあります。今回大綱別表の戦車の枠から外されたのは何か思惑があるからではないでしょうか。
>陸自の砲兵システム
過去開発されたものは配備が終わるまでに旧式化、各世代のシステムに共有性がないなどの問題化があります。仮に優れた装備でも高額すぎで必要数が行き渡らないならばプログラムとしては失敗です。また陸自のネットワーク化は大きく遅れているのは事実です。

実際問題として、予算、人員の不足で陸自装備の稼働率はかなり落ちています。

予算が増える見込みが無いのに、金を回さない政治家と財務省が悪いのだ、俺達の責任ではないと居直るのはプロの態度ではないと思います。

実際、現場の2佐、3佐クラスは非常に大きな危機感を持っています。

稼働率や近代化を無視して部隊の規模と一部主力装備に執着するのは旧軍が行った愚行と同じです。

どんな戦争でも欲しいだけの予算と、装備と、人、弾薬、燃料が与えられたことは歴史上殆どありません。
キヨタニ
2011/02/14 10:45
>自衛隊装備の稼働率
具体的な数字無し。

>稼働率と近代化を
>無視した旧軍
ふ〜ん、それが旧軍が敗北した理由ですか。

>望むままの潤沢な補給
ある意味では米軍以外ですね。
とーりすがり
2011/02/14 15:39
何時の時代も満足いく予算などないと思うが、
対GDPで1%も満たない我が国の防衛費。
片や近代化に対して爆発的に膨れ上がる
総合開発費。
一部でも1級装備を目指すのなら、
反比例する中では目をつぶらなければ
ならない項目は必ず出てくるはず。
多少の利権も否定するわけではないが、
技術の踏襲を含んで
防衛幹部の苦悩が見えてくる感じがする。
本心ははあれもやりたい、これもやりたい
んじゃないかと。
結局、この国は国民が馬鹿だからな〜。orz
ゼンジロウ?
2011/02/14 23:38

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