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他の工業製品同様、兵器においても値段は重要な要素です。 値段、換言すればaffordability、調達性は性能の一部といってもいいでしょう。 89式小銃の場合、32万円ほどします。 対して先進国でも小銃の価格は概ね5〜8万円程度です。カナダのC7はM−16のライセンス品(メーカーはコルト社に買収されて、現在コルトカナダになっていますが)で、7万円ほど。 ライセンス料を払ってこの値段です。英国やオランダなどにも輸出されていますから、値段、性能共にも国際競争力があったことことになります。 仮に89式は値段が高いが故に調達が長引き、20年以上経った現在でも64式との交換が完了していません。 もし89式の価格が8万円だったとしたら、単純に計算して調達スピードは4倍になります。恐らくは交換はとっくに完了していたでしょう。 仮にいくら性能が優れていても、コストが高く調達が遅々としてすすまなければ、数を揃えて予定された戦力となるまで長期の時間がかかります。それは戦力化に時間がかかるということです。 またその間訓練、整備、部品の管理など兵站の負担は二倍になります。 仮に性能が100で値段が30万円の小銃と、性能が70で価格が5万円の小銃があったとしましょう。10万人分の小銃を調達する場合、後者は予算3年で完了、対して前者は18年かかります。その差15年です。 後者は調達も兵士の習熟も早く数年で戦力化できます。対して前者は20年程かかります。 仮に前者と同じペースで後者を配備するならば、1丁当たり25万の予算がほかに使えます。例えば光学照準器やタクティカルライトなどを調達しても有り余るおつりがきます。また他の装備を調達費用にも回せます。 いくら性能がよくとも手に入るまでに10年も20年も待たなくてはならない兵器よりも、多少性能は劣ってもすぐ手にはいる兵器の方が有用です。特にハイテク兵器ほどこの傾向があります。最新式の兵器でも調達に20年かかればその頃には旧式兵器です。 また工業製品にはそれに相応しい値段があります。カローラだって値段が1000万円もすれば誰も買わないでしょう。あの値段でだからこそ売れているわけです。 実用的な価値を無視して、値段が高くても買うのはマニアやコレクターです。つまりは道楽です。兵器の調達は道楽ではありません。 こういう観点からいえば89式はすぐれた小銃とは言えません。 まして89式小銃は、性能が凡庸な銃です。品質的には次第点です。格段に他国の小銃に比べて優れているというわけではありません。 これはぼくの知っている他国のライフルと比べて撃った経験のある現役、退官した複数の自衛官の感想です。 89式には、安全装置の位置が悪い、銃床が固定式(空挺用除く)で装甲車に搭乗したり、市街戦での使い勝手が悪いなどの欠点があります。 これらはメーカーではなく運用側の要求に問題があります。 また運用側にはコストを下げて調達性をあげるという視点の発想に欠けています。 例えば銃床を折りたたみ式だけに統一し、3点バースト機能、二脚などは廃止するなどすれば多少はコストの削減と使い勝手の向上になるでしょう。 無論我が国の場合、他国にない制約もあります。が、それにあぐらをかいて「高いものは高いんだ」と開きなっているから現在のような状況を招いているわけです。 【新刊発売のお知らせ】 3月、祥伝社新書より「専守防衛」が発売になります。 防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ) 中央公論新社 清谷 信一 ユーザレビュー: FXを巡る議論につい ... 間違いだらけの兵器選 ... 問題だらけの自衛隊装 ...Amazonアソシエイト by ![]() |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
>値段、換言すればaffordability、調達性は性能の一部といってもいいでしょう。 |
あーにゃ 2010/02/24 14:59 |
前半の趣旨には文句ないのですが、後半の具体例で色々疑問符が… |
Null_Devices 2010/02/24 15:39 |
>次及点 |
キヨタニ 2010/02/24 17:14 |
SIG SG550やH&K G36と同じようにフォールディングストックが標準でいいのではないでしょうか。 |
abcd 2010/02/24 20:12 |
キヨタニ氏が常々仰っていた新型戦車調達より既存の戦車を改良という意見には同意しかねますが、89式小銃に関しては諸手を挙げて同意します。ほんとふざけてますよね 1丁30万円のアサルトトライフルなんて 20年たっても部隊全部に配備できないとは 我々の税金を何だと思っているのでしょうか キヨタニ氏が日頃仰っている「所詮税金人の金後は野となれ山となれ」ですね クソ政治家クソ官僚クソ業者のしわ寄せが隊員達に背負わされるなんて どうしても納得できません。 |
日本元気DEショー委員会 2010/02/25 00:28 |
ちょっと調べてみましたが、バーストは80年代位に流行ったもののその後すたれたようです。 |
774 2010/02/25 08:52 |
>89式 |
アームストろんぐ〜 2010/02/25 09:57 |
>H&K G36 |
通りすがり 2010/02/25 12:42 |
パーツを削りまくってるM16の民間版である狩猟用AR-15でも日本国内での販売価格は一丁30万円で販売されてた |
MIZUPE 2010/02/25 13:08 |
つまりコレクションするだけならいざ知らず、自国の装備として調達・運用するのであれば国産だろうが輸入だろうが掛かるコストは大して変わりゃしないという事ですか。 |
呉 2010/02/25 18:12 |
元自衛官の立場から言わせてもらうなら、「銃床については各科部隊の運用法で有無が問われるので、固定式と折りたたみ式の2種類あっても良いと思いますが、3点バースト機能と二脚の廃止は賛成です。 |
バンデット 2010/02/25 20:16 |
日本ではやたら規制が多いし、そんなに売れるものでもないし、日本の規制に合わせて改造するにも手間がかかるしで単純にどうとは言えないと思いますが |
an 2010/02/25 20:22 |
価格差が3〜4倍となると、まずいですな。 |
歩兵 2010/02/25 21:17 |
中の人曰わく。 |
アームストろんぐ〜 2010/02/25 23:26 |
774さん |
goos 2010/02/26 19:28 |
>goosさま |
みづせ@黒書刊行会 2010/02/28 02:27 |
90年以降に開発された、あるいはサービスライフルとして採用されたライフルでバースト機能を有しているものはさほど多くありません。 |
キヨタニ 2010/02/28 10:53 |
ではまた「90年以降」という限定条件で誰かのデータ提示を期待するしかなさそうですね。 |
abcd 2010/02/28 19:09 |
90年代以降に開発されたアサルトライフルの少なくない部分が特殊部隊向けやトライアルでの特殊部隊限定運用だったりでは? |
通りすがり 2010/03/01 10:41 |
>銃器メーカー人間や軍人、同業者の多くも |
呉 2010/03/01 18:37 |
>90年以降に開発された、あるいはサービスライフルとして採用されたライフルでバースト機能を有しているものはさほど多くありません。 |
にっく 2010/03/01 19:17 |
証言者個人の情報などは必要ありませんが、せめて小銃や採用国の具体的な名称を出すことは必要でしょう。 |
abcd 2010/03/02 01:29 |
一旦採用されたが、使われず廃れて来た機能って事でしょ。 |
歩兵 2010/03/02 19:30 |
アメリカなんかは現状でバースト機能とセミオートのみの小銃を主力小銃として採用してます。 |
通りすがり 2010/03/02 22:16 |
>みづせ@黒書刊行会さん |
goos 2010/03/03 17:24 |
>goosさま |
みづせ@黒書刊行会 2010/03/03 23:22 |
>90年以降に開発された、あるいはサービ |
goos 2010/03/04 20:33 |
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