清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS 陸自新練習ヘリ採用機種が決定。さてチョイスは妥当か否か。

<<   作成日時 : 2010/02/11 15:28   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 10 / トラックバック 0 / コメント 9

防衛省・自衛隊:陸上自衛隊新練習ヘリコプターの選定結果について
http://www.mod.go.jp/j/news/2010/02/10b.html

 採用されたのはエンストロム480Bです。値段は約2億900万円です。
 川重はMD500Eを提案しましたが、入札価格が予定価格を超過していたため、評価の対象外となりました。

 海自に続いて陸自も練習ヘリには高価な国産ライセンス品ではなく、安価な輸入を選ぶとことになったわけで、この点は評価すべきでしょう。この決定は今後国内ヘリメーカーの再編を促すことになるでしょう。いつまでも公共事業のようなメーカー救済を第一に考えた調達はもはや不可能ということです。
 
 ただ一方で問題もあります。
 それは単発機が適当だったかということです。海自の採用したEC135は双発でした。これは計器飛行などの訓練が出来る、練習機材を削減できるなどの利点があったからです。

 確かに陸自のヘリは主として陸地の上を有視界で飛ぶわけですから、一番安価な単発ヘリで充分だという考え方もあります。

 ですが、今後陸自のヘリも夜間飛行能力が求められるでしょう。そのためには計器飛行の能力は必要です。
 また島嶼防衛を考えたとき、海自の艦艇に着艦するようなケースは増えるでしょう。22DDHにしても、実質多目的ヘリ空母で、揚陸艦として使用も可能でしょう。
 島嶼防衛を重視するならば極端な話、すべての陸自のへりに夜間航行と夜間に於ける着艦能力の付加が求められるでしょう。

 そのような運用を考えれば、より多くの陸自のへりも夜間及び海上飛行が要求されます。

 となれらば、双発ヘリを採用したほうが訓練の効率いいかもしれません。

 更には今後採用される観測ヘリ、UH−1の後継の汎用ヘリにどのような機能を持たせかを、どこまで真剣に考えた上で練習機を選んだのかとういことです。
 
 先に述べたような夜間や洋上飛行を前提とするならば、これらも双発になるでしょう。となれば、訓練機も双発の方が有利であると思えます。

 また観測ヘリと練習ヘリ、更には特殊部隊用ヘリに同じ機体を採用すれば兵站や訓練のコストは更に下がります。例えばEC135、あるいはその軍用のEC615を採用すれば、海自の練習機との共用性もあります。

 
 陸自に限りませんが、装備を選ぶときに総合的な装備体系を考えずに新しい装備の調達を決定します。これは結果として高くつくことが多いわけです。それは当の自衛隊が一番理解していると思うのですが。

 アパッチの調達中止もあり、関係各位から叩かれるのを防ぐために、単に一番安い選択をしたのではないか、というような危惧もあります。

 陸自のへり予算は概ね350億円。これをどのように有効に使うかは重要です。ぼくは現在の予算では充分ではなく、更に予算を増やすべきだと思います。特に医療部隊の専用のへりの調達、運用が必要です。陸自に医療部隊専用のヘリがないのは人命軽視以外の何者でもありません。

 ヘリ調達の効率化を図ると前提で、新戦車の調達など不要不急の調達を中止し、ヘリの大量調達を行うべきだと思います。



防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ)
中央公論新社
清谷 信一

ユーザレビュー:
間違いだらけの兵器選 ...
問題だらけの自衛隊装 ...
効率的な兵器の運用石 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る





ル・オタク―フランスおたく物語 (講談社文庫)
講談社
清谷 信一

ユーザレビュー:
これもフランスの一面 ...
海外での日本のマンガ ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 10
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス ナイス ナイス
面白い
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
 医療部隊専用ヘリが必要で新戦車の導入よりもヘリを大量動員せよとの意見ですが、医療専門のヘリ部隊を維持できる軍隊は世界見回しても米軍ぐらいのもので殆どの軍は輸送ヘリ部隊
の兼任業務になっていると思うのですが。
 ヘリにしても機体買えば運用出来るものでも
なく、予備部品の確保等の維持費やパイロットの訓練費用等で莫大な費用が掛かります。陸自の人員減らして予算を確保できても、パイロットが不足では本末転倒です。
 最後に携帯対空ミサイル等の対空砲火に弱い
ヘリが敵支配地域や航空優勢が確保されていない地域に展開し、活動すれば被害が大きくなるのはアフガン等で実証済みです。ゲリコマでも
敵が携帯式対空ミサイル等の対空手段を持っていれば、医療ヘリ部隊も活動を制限されるでしょう。
 いきなり医療部隊専用ヘリを導入するのではなく、既存の部隊でやれる事からはじめた方が
結果的に実情にあった部隊を保有出来ると思うのですが。
TK
2010/02/11 16:02
>装備を選ぶときに総合的な装備体系を考えずに新しい装備の調達を決定します。

ああ、それは仕方ないです。現行の予算編成システムでは結局の所そうならざるを得ませんし。

>ヘリ調達の効率化を図ると前提で、新戦車の調達など不要不急の調達を中止し、ヘリの大量調達を行うべきだと思います。
今更TK-Xの調達中止というのは全くの不可能事なので、もっと実現性の高い予算確保の手段を模索・考察する事こそが医療部隊を強化する唯一無二の手段です。
あーにゃ
2010/02/11 23:02
TK-Xの調達中止によって日本から戦車開発技術が失われる可能性とかはどう考えておられますか?
それこそこれは総合的な装備体系の根幹に位置する問題だと思うのですが
たろちん
2010/02/12 00:04
単発固定翼でエリミネートしてから、EC135で計器飛行を学ぶシラバスにした海上自衛隊と、固定翼なしで回転翼から訓練する陸上自衛隊とは、要求するものが違うと思います!
それを含めて3自衛隊統合教育にするならEC135で統一でもいいでしょうけど、「独自の陸曹航空操縦学生(FEC)と呼ばれる教育課程をもって陸自パ イロット全体の約8割を養成している」陸上自衛隊には適性を見極める簡易な機体が求められていたのでしょうし、UH-1で計器飛行や夜間飛行の訓練は行いましょうから、MD500すら過剰品質なのでは?
http://www1a.biglobe.ne.jp/mediaeye/index/FEC/FEC_top.html
pongchang
2010/02/12 09:47
普通に汎用ヘリの増強で良いんじゃないですか?
もっともその為の予算を確保するだけでも凄まじい難事ですが。
ドクターヘリ
2010/02/12 11:16
>観測ヘリと練習ヘリ、更には特殊部隊用ヘリに同じ機体を採用すれば

用途が違いすぎる。
現場に耐えうるレベルに合わせれば訓練生の負担となり
訓練生の訓練レベルに合わせれば現場で致命的な能力不足が露呈するだろう。

で、訓練生と現場の隊員どちらを死なせる?
a
2010/02/13 00:43
> また観測ヘリと練習ヘリ、更には特殊部隊用ヘリに同じ
> 機体を採用すれば兵站や訓練のコストは更に下がります。

またまたド素人みたいなことを……
ヘッピリムシ
2010/02/13 04:49
>ヘッピリムシさん
いや、この人“ど素人”ですから・・・

本人は全く気がついていないようですがw
bab
2010/02/14 01:55
清谷信一殿、直ちにこちらに出頭してください。
貴方には自己弁護の権利があります。
http://obiekt.seesaa.net/
http://obiekt.seesaa.net/article/141834416.html
直ちにこちらに出頭してください
2010/02/22 01:11

コメントする help

ニックネーム
本 文
陸自新練習ヘリ採用機種が決定。さてチョイスは妥当か否か。 清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる