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zoom RSS 空自CX試作機、初飛行と防衛調達の問題点

<<   作成日時 : 2010/01/27 18:44   >>

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空自CX試作機、各務原で初飛行
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010012602000241.html?ref=rank

 二年遅れの初飛行です。
 さて、あれこれ業界内の噂を聞くに、今後実用に耐える状態に仕上がるがどうかが問題となります。

 自衛隊の調達の問題の一つに派生型も含めた調達のグランド・デザインが無いことが挙げられます。例えばCXの場合電子戦機やAWACSなどをどの程度つくるか(あるいつくらないのか)、また一部を空中給油機型をつくるのか、などといったプランが納税者に明示されません。

 例えばCXを40機調達し、電子戦機を4機、AWACSを12機調達すれば合計56機となります。で、毎年何機生産すればもっとも効率がいいか考えてそれに沿うような調達計画を立てて、発注をすれば、海外からのコンポーネントの調達も含めて単価が下がるでしょう。
 仮に派生型も含めれば生産機数が1.5倍になり、調達コストは輸送機単体よりもこれだけ安くなります、といったようなアピールもできるわけです。 

 ところが実際は輸送機だけ。それで調達を出来るだけ細く長く引き延ばすわけですから、調達費が上がるわけです。さて、CXの調達は何年かかるのでしょうか。10年でしょうか20年以上でしょうか。

 戦略的な調達構想がないのは防衛省と自衛隊の構造的な欠点です。

 初めから機数と調達プランがあればメーカーも経営計画がつくりやすくなります。現状の現状の「いつまで続くかわかりません方式」ではぶっちゃけ、経営計画など立てられません。

 前にも書きましたが、CX、PXの同時開発は愚策でした。需要を先食いしたので、20後に自衛隊機の大型機の仕事があるかどうかはわかりません。また将来の若い設計者の経験を奪ったことになります。

 まあ、それまでして同時開発をするメリットが官民ともにあったのでしょう。後は野となれ山となれ、でしょうか。いずれにしてもそろの頃には官民とも今のエライ人たちはいませんから。

CX、1月にも初飛行か?
http://kiyotani.at.webry.info/201001/article_2.html


日経ビジネスのネット版にぼくのインタビュー記事が掲載されています。

【Last Chance ――航空機産業の活路】
スポーツカーが買えないとダンプを買うのか
軍事ジャーナリスト、清谷信一氏が防衛省の無策に活

http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_61592_447663_110


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コメント(17件)

内 容 ニックネーム/日時
清谷さんが聞いたと言う業界内の噂という物を箇条書きで書き出して頂けるとC-Xという物に対する判断の一助となり、大変にありがたいのですが。
あーにゃ
2010/01/27 22:18
清谷さんのように優れたグランドデザインを持ち得た人物が、政・官・軍どこにも居ない事がまこと残念です・・・
まさるんるん
2010/01/27 22:50
グランドデザインを描くための条件がしっかりしていたらいいのですがね・・・
ROM男
2010/01/28 07:55
う〜ん…次の需要という話ですが…
実際のところ、川崎側はもう防衛向けの需要にあまり期待していないからこそ、P/C−Xの開発したんじゃないかと思うんですが…。

開発業務の負担増を考えれば、普通は開発当事者にとっても主契約は二社に別れるべきだったでしょう。
しかし二機種の主契約を一社で引き受けると提案したのは川崎側ですし、防衛省(庁)はそれを選択したにすぎません。

民間固定翼機において世界の下請けであり、近年(当時)、下請け業務の注文も将来性が怪しい状態でした。
さらに財政逼迫による自衛隊機受注の減数を予測しているとすれば、いっそ民間機の下請けから自社開発の完成機の供給を目指すべきでしょう。

当然、C−1以外は川崎に民間機旅客・貨物サイズの開発経験(正確にはC−1の開発は・・・)はありませんし、いきなり開発というのはリスクがあります。

開発過程のノウハウを国費でなるべく多く得て、尚且つ民間機開発の際には海外顧客・融資者に対してP/C−Xの実績をコマーシャル…もしくはこういった材料を用意して新規参入を匂わせて、国外メーカーがライバルを増やさないように下請けの注文をしてくるように誘導する。

開発費が国持ちといえど、いまどき単独機種で数十機規模の販売では航空機としては失敗の部類です。
官製需要・受身受注の将来的脱却こそがメーカー側の意図ではないかと思いますが。
KUMA
2010/01/29 08:24
PXは旅客機転用という話もあったのですが、つぶれました。官も民もリスクをとって民間機ビジネスに乗り出すとことを厭い、防衛予算にしがみついてきわたわけです。その先には緩慢な死が待っていると思いますが。
キヨタニ
2010/01/29 11:05
キヨタニさんのコメント「リスク/民間機」の部分で連想したのですが、日本の会社、引いては社会はリスクを極端に恐れると感じています。
私は外資も国内の会社も両方経験ありますが、それを強く感じますね。
博打みたいなリスクを取る外資も、博打である事を理解しているので、その分深く考えます。(それでも外れる場合も多々・・)
日本の会社はサラリーマン経営陣が圧倒的で
どうしても堅実なリスク排除のみの思考に陥りがちのような気がします。
どうしてもそのような組織は、このような撤退戦と攻略戦が入り混じる環境下では衰退してしまうんでしょうね。

会社員36歳
2010/01/29 18:59
そんなことは単純に軍用機として輸出を認めればよいだけ。日本が派生型を発注しなくても、他国で使い道があるなら注文は取れる。
それだけの競争力はあるし、川崎重工も必死になって売ってくるだろう。
これまでも各種プラントを世界中に売りまくってきたのだから。
問題は自衛隊でも重工各社にもない。政治の話だ。
清谷氏は批判の矛先を間違っているよ。
kayo
2010/01/29 22:46
P-XのYSX化案というのは、はなっからガセでしょ。
P-Xの開発と無関係な経済産業省がP-Xの旅客機化を無理矢理ねじ込もうとしただけ。
ずんだ餅
2010/01/30 03:52
P-Xは外見こそ旅客機に似ていますが哨戒機に特化した設計になっています。KHIはこれを旅客機に転用できるとは最初から思っていないと思いますよ。経済産業省が良くわからないまま先走っただけでしょう。P-XとC-Xの同時開発という前代未聞のプロジェクトをさらに複雑化させるリスクを嫌うのは当然です。

旅客機の開発はMRJやC-X民間型のセールスの推移を見守ってからでも遅くはありません。XP-1とXC-2の開発と製造で培った人材と技術は、その時に生きてくるでしょう。
汚谷
2010/01/30 04:34
リスクの取り方がヘタですね。
例えば、中国に進出するときは他社が行くからウチもでいったりします。で、大手企業でもろくにリスクを測るためのリサーチをしなかったり。
リサーチをして危険となり、進出しなかったらその金が無駄になって誰かが責任をとらなきゃならないとか、リスクがどうと言う奴は臆病者とか言われたりするわけです。
困ったものです。
キヨタニ
2010/01/30 17:09
雑誌記事読みました。
XC-2には空中給油機能、はじめから戦術計画として空投、ホールディング等と同じく組み込まれてますよ。
KHIに大型機開発の経験者がいないというのは問題ですけどね。開発ノウハウもないです。
3月末に1号機納入されるけど、技術実用試験での戦術試験は2年ぐらい先でしょうね。XP-1ですらまだ戦術試験すらしてない状況ですから(搭載システムのハングアップ問題で)。
momo
2010/03/19 14:30
XP−1の導入を削減し、P−8も平行導入を検討しているという噂が流れているのですが、キヨタニさんはご存じですか。
アイゼンシュタイン
2010/03/19 15:49
それは初耳です。
ただ、PXも大本営発表とは異なり、随分と問題があるとは聞き及んでおります。
キヨタニ
2010/03/20 12:42
>空中給油機能
それは空中給油を受ける機能でしょう。
空中給油機型調達のプランはないはずですが。
イカピー
2010/03/20 13:22
まあP-8とA400Mの開発もXP-1やXC-2以上に難航していますけどね
ニラ餃子
2010/03/20 15:34
>アイゼンシュタイン様

ソースの提示をお願いします。ぶっちゃけXP-1の急遽開発取りやめ、P-8の採用決定の方がまだ信憑性があります。

後、清谷氏、なーにが”初耳です”か!!!!
まがりなりにも軍事ライターとして食っているのあれば、たとえブログの記事に対するコメント主という極めてあやふやな相手であろうとも、興味を覚えたのであればダボハゼの様に食い付いて更なる情報を引きずり出すのがあなたの仕事でしょう。
防衛省や防衛企業の人間にどれだけ気持ち悪がられようが、どれだけバカにされていても、どれだけ鬱陶しく思われようがぶら下がり取材を続けているあなたは一体どこに行ったのですか?
あるいはただの釣りだと思ったのであればどうして無視出来ないのですか?

あーにゃ
2010/03/20 21:02
ネット上の「ウワサ」ですから、私も真偽のほどがわかりません。ここをご覧の方ならば、ご存知のサイトで出ていた話題です。
アイゼンシュタイン
2010/03/20 23:04

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