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zoom RSS 再開発が下北沢を殺す 何のための再開発か

<<   作成日時 : 2009/11/18 06:09   >>

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 ここ数年、下北沢(以下下北)の知り合いの小売店が相次いで店を畳んでいます。
 
 かなり下北のでの商売はしんどくなっているらしく、最近では古着屋が呼び込みをやっている風景すら見られるそうです。

 かつて下北は学生文化、演劇、サブカルのセンターの一つでした。
 
 こういうところではマニア上がりの人間が自分なりのこだわりの店を出したりしては潰れ、あるいは生き残ってきました。

 下北でこの手の商売が成立したのは家賃がそれなりに安く、新宿、渋谷、吉祥寺などから微妙に近いけど微妙に不便なロケーションでしょう。

 ところが再開発で、地価があかって面白い店が出店できず、出店は資本力のあるチェーン店だけになりつあります。


 つまり、他の場所に行けばあるような店ばかりで、ならば新宿、渋谷、吉祥寺などいけばいいや、となります。
 昨今の地盤沈下の最大の原因はこれにあると思います。

 小劇場にしても今や中央線沿線に結構あります。下北に行く必然性は薄れている。しかも街自体が劇場だったのにその「大道具」がなくなりつつあるので、劇場の集客力にも影響がでているはずです。

 確かに再開発で便利にはなるでしょう。小綺麗なオフィスビルも立つでしょう。
 
 ですが、それは有楽町や品川、秋葉原、お台場などもっと集積規模が大きい、あるいはロケーションのいい場所があります。下北に勝ち目はありません。

 都市計画をしている人間は小綺麗なオフィスビルが建ち並び、ネクタイを締めて、ヒールの高い連中が闊歩するような街、あるは「どこにでもある有名店」が多数入居しているようなモールの誘致を目指しているのでしょう。

 これが田舎のショッピングモールなら他に競合がありませんからそれでも何とかなります。ですが、街同士の競合が激しい大都市では自殺行為です。

 もっとも田舎のショッピングモールも実は同じ問題を抱えています。このような施設は地場の起業家のチャンスを摘んでいるわけですし、若者はならば都会の「本物」のほうがいいやと地元を捨てるわけです。

 どこもが丸の内や新宿になれるわけではありません。

 独自色を失いつつある下北は今後衰退するでしょう。となれば、再開発で大金かけて街を衰退させたということになります。まさに角を矯めて牛を殺すのたとえの通りです。

 街の魅力と集客の根元は何であるか、今一度考え直すべきではないでしょうか。

 ロンドンではフリーマーケットから発展したカムデンタウンがあります。日本の都市再開発担当者はここらを一度視察してはいかがでしょうか。いろいろと参考になると思います。

 


 

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コメント(7件)

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清谷様の気持ちはわかりますが、日本人の国民性として、もしあの下北沢で町を総なめにするような大火災が発生したり、同地を震源地とする直下型地震が発生した場合、下北沢界隈の住民は「こういう町だから災害が悲惨になっても構わないし、復旧が遅れても構わない」などと割り切ることは全く考えることができません。
むしろ都市再開発計画の遅れで被害が拡大したので謝罪と賠償を求める声が高まるものと粗造できます。
そのような場合、行政としては「若者文化の保護」などと言うお金にならないものよりも付近の住民の安全を第一に町の再開発をするのが(たとえそれが官庁の論理だと言っても)理にかなっているものと思いますが、清谷様は違った考えをもたれているのでしょうか。
高橋和司
2009/11/18 12:13
私も高橋さまの意見と同じ考えを持っています。ただ、再開発をする時、どのようなコンセプトで行うのか…という点では、必ずしも在来型にこだわらず、キヨタニさまがご指摘のような視点を入れても良いと思っております。
アイゼンシュタイン
2009/11/18 12:54
問題は立地的にはオフィスビルが増えても
それが埋まらなければ税収は減ります。
また商店や飲食店が撤退すれば従来からの
お客や住人がいなくなるわけです。

街が寂れれば、更にオフィスビルは埋まらなく
なるし、チェーン店は容易に撤退するでしょう。となれば悪循環です。

ある意味沖縄のきれいなビーチをつぶして工業団地を造るようなものです。

また神保町の古本街をつぶしてオフィスビルにして町は活性はしないでしょう。

現在の街を殺菌するような形で門切り型の
都市開発をしても成功しないということです。

ですからフリーマーケットを利用してこれを発展させているカムデンタウンなどを参考にしてはいかがと申し上げているわけです。
キヨタニ
2009/11/18 15:41
自然発生した町並みには深い魅力があります。

もっともらしい建築論や都市計画学に基づいた人工都市は、世界中至る所で、僅か数十年のスパンで破綻し、ことごとく失敗しています。

それでも雨後の竹の子のように次から次へと持ち上がる「再開発」計画は、利権や欲望まみれの浅薄なモノが多いですよね。第一、面白くもなんともない。

私は専門がソッチ系(エッチ系ではない)なので、官公庁でそういった業務に携わっている人間が、学生時代、如何に建築文化を理解していなかった連中だったか、多少は知っているつもりです。
デベロッパーも同じく。

建築計画・都市計画は広く文化全般に対する造詣が深くないと...一見もっともらしい論理や理論だの、要するに屁理屈だけじゃあ、ダメなんですよね...。

人間はナマモノなんです。
雑多な都市文化も同じで、一度、絶やしてしまったら二度と元には戻らないのです。

ですから、キヨタニさんが言いたいことは私には理解出来ます。
M14
2009/11/19 17:24
キヨタニさんの下北インチキ再開発反対に同意見です。行政はミニ都心の増殖がステータスと誤解なされていますが、ミニ都心など作っても、本家都心の丸の内や六本木には到底敵いません。私の住処の近くの日暮里にも中途半端なミニ都心ができましたが、テナントが半分近く空き家状態で、線路向かいの谷中から見て、なんとも不釣合いな光景になっています。
谷中には欧米系の観光客がおおく、日本らしい場所として谷中に来ていますが、彼らから見てミニ都心なぞ眼中なしです。
下北もあのアングラなカオスな空気があれば子そのもので、ミニ都心では来る人は少なくなるのは目に見えています。
若い人たちの起業心も萎えて、活力が失われるのは日本の国益にも悪影響です。
災害対策の面でハードルがありますが、自治会やボランティア組織による都市美化及び防災組織を作るのも解決策になります。
税金を回すならば、起業資金及びNPOへの資金に廻すべきでしょう。
テクノマン
2009/11/20 00:00
防衛省、次期戦闘機F35採用へ 約40機の導入想定
 防衛省は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)について、次世代戦闘機F35を採用する方向で調整に入った。12月から選定作業を本格化させ、2011年度の概算要求にF35の契約金など関連経費を盛り込みたい考えだ。複数の防衛省・自衛隊関係者が22日、明らかにした。

 F35はレーダーに捕捉されにくいステルス機能が最大の特徴。中国が最新の第4世代機など航空戦力を増強させる中、防空能力の向上が不可欠と判断した。最終的には40機程度の取得を想定している。

 ただF35は開発中で配備が10年代半ばと見込まれる。このため性能の確定まで契約を先送りすべきだとの慎重論があり、12年度予算へ先送りされる可能性も残っている。

 政府は新たな「防衛計画の大綱」とそれに基づき部隊規模や経費などを明示する中期防衛力整備計画(中期防)の策定について、来年12月へ1年先送りを決定している。次期中期防には、F35の調達計画を明記する見通しだ。

 鳩山内閣は1年先送りに伴い、装備品や自衛隊の運用で暫定的な基本指針を取りまとめ、10年度予算にはFXの調査費だけを計上する予定。

シロ
2009/11/25 20:56
今更のコメントですが、日本中、どこもかしこも「再開発」で金太郎飴のような街だらけになってしまい非常に残念です。タワーマンションとレンガ風歩道とチェーン店。
昭和に作られたアーケード街も見た目はどこも同じですが、個人店が多いので「再開発」の街よりは個性があります。
けいじろー
2013/04/03 23:01

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