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help リーダーに追加 RSS 【WiLL】「防衛省変革の時 まず陸海空の比率を変えよ」を読んで

<<   作成日時 : 2008/08/08 12:59   >>

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 現在発売中のWiLL9月号に元海幕長、古庄幸一氏と戦略地政学者、北村淳氏の「防衛省変革の時 まず陸海空の比率を変えよ」なる対談が掲載されています。

 海兵隊をつくれとか、固定化されている陸海空の比率を変えろとか、本土決戦主義から決別しろとか頷くところも多いのですが、ふたりとも「海の人」のためか、違和感を感じる部分もありました。要は海自の能力を拡大せよというお話ですから。我田引水的なところも多いですね。
 特に陸海空で長年固定化されている予算の比率は見直すべきです。この点は現役OBとわず、自衛隊に方にももっと議論して欲しいです。組織防衛ではなく、国防のために何優先されるかという観点にたってですが。
 

 海自の問題は特にシーレーン関する考え方です。海自の主任務はシーレーンの確保だと。

  ところが以前から何度も申しておりますが、シーレーンなんぞは存在しません。
 我が国の商船会社が保有しいてる商船はその国籍が殆ど、税金の安いパナマやリベリアなどになっています。乗組員も殆どが外国人です。日本人船員は三千人ぐらいまで減少しています。
 しかも船員組合は前の戦争で海軍に見殺しにされた恨みもあり、戦時に船には乗らないと公言しています。

ありもしないシーレーンの防御を現役時代ならともかく、退官してまでも振り回すのは如何でしょうか。古庄氏はむしろ後輩のためを思うならばシーレーンなんぞありません、シーレーンをつくるところから始めましょう、ぐらいのことを言って欲しいものです。

 それとも同盟国のアメリカが自国の青年の血を流してシーレーンなるものを維持してくれるのでしょうか。
 また海自はマラッカ海峡にしろアラビア湾にしろ、外国船を護衛するような任務もできません。いい加減真実に目を見向けるべきです。

 フィクションを前提してまともな軍備ができるはずはないでしょう。

 
 また「おおすみ」や「16DDH」のような中途半端な艦をつくるのもこういうことが背景なのでしょう。 

 予備役が少ないのも問題です。水兵に予備役はおりますが将校の予備役はおりません。戦時に死傷するのは水兵だけなのでしょうか。戦時の人的損耗をどうやって補充するのでしょうか。寧ろ育成するのに20年以上かかるシニアオフィサーこそ予備役が必要ではないでしょうか。
 海自に限りませんが予備役制度を導入して、人員の増減の弾力化と適正な予備役の確保が急務です。そのためには現役を減らす覚悟が必要です。


 古庄氏は海自は人が足りないといいますが、人よりフネが多いという考え方もできます。人の数に合わせてフネを揃えるという考え方もあるでしょう。
 乗組員の多いの旧式艦は廃棄すれば宜しい。しかも海自のフネは潜水艦も含めて総じて自動化が遅れています。足りぬ足りぬと言っているだけでは何も変わらないでしょう。戦時のスローガンに「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」というのがありましたが、海自はこの言葉を今一度思い起こすべきです。

 海自は極めて保守的です。このため新しい技術の導入でも遅れを取ることが多い。例えばタービンエンジンもそうだし、ステルス技術もそうです。

 潜水艦は何故か排水量だけは大きくなる。もっと小型の沿海型の潜水艦と組み合わせてもいいと思うのですが、何故16隻の大型潜水艦が必要なのかという説明も我々納税者は受けておりません。

 またPXも問題です。そもそも四発ですから双発機より保守コストが高くなります。しかもPX専用のエンジンを採用したわけですから、製造コスト、保守コストは極めて高くなります。果たしてそんな贅沢をする必要あったのでしょうか。
 巷では四発のエンジンのうち二発は低空を飛ぶときに止めるという「都市伝説」がまことしやかに流されていますが、これはガセです。
 前に書きましたが、ぼくは川重の航空宇宙カンパーニー堀川英嗣執行役員とPXの主任設計者に確認しました。
 http://tb.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/0068cf60c3

 もっともこのエンジンを世界の民間機メーカーに売りこんでいくとか、ゆくゆくはIHIをGEやロールス・ロイスに匹敵する(とまでは行かなくともスネクマぐらいにはするとか)という野望と、それを実現する計画を防衛省と経産省が持っており、そのための先行投資であるのであれば別ですが。

 そもそも調達数60〜80機程といわれているPXが必要なのでしょうか。海上哨戒だけならCASA当たりのプロペラ機やジェットでもビジネス機など安い機体で済みます。例えば対潜哨戒機を半分にしてあとの半分を海上哨戒機などで賄うというようなことも考えてみるべきではないでしょうか。あるいはUAVなどを導入するという手もあるでしょう。
 当面既存のP3Cを改良しつつ運用するというオプションもあったでしょう。進出速度が問題ならエンジンやプロペラを換装するという手段もあります。単に大型機の製造能力を維持するのであれば、CXだけで充分です。その後にPXを企画してもよかったのではないでしょうか。その方が生産技術の基盤維持の面からは宜しいでしょう。

 海自の戦闘艦には不審船や自爆テロ対策の近接戦闘用の装備が不足しています。25ミリ〜40ミリクラス(またそれ以下のクラスの口径も)の機関砲や暗視装置を備えたリモートウェポンステーションもありません。インド洋での作戦行動を行っているにも関わらずです。しかも諸外国ではゲリラやテロに備えて武装した乗員あるいは海兵隊に艦内の警備をさせていますが、乗員が不足しているからといって、こういうことをさぼっていいわけはないでしょう。そのうち高い代償を払うことになります。
 海兵隊はこのような用途にも是非必要です。
 人間が足らないならオカで余っているのを乗り組ませればいいのです。それでも足りないなら旧式艦を退役させればいいです。予算はない、人がたりない、でも艦の数(艦長など将校のポスト)を減らすのは嫌と現状維持を決め込んでいるは思考停止です。




 話は変わりますが、なんと本日発売の「週刊金曜日」に、ぼくの自衛隊に関する原稿&座談会が掲載されております。表紙はどーんと「新戦車」!是非店頭でチェックしてみてください。
 
 
画像

 http://www.fujisan.co.jp/Product/5723/b/206629/





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コメント(21件)

内 容 ニックネーム/日時
仮に「日本国海兵隊」を研究するについては、旧海軍による「陸戦隊」的な矮小な運用思想からは脱却していただきたいですね。
合衆国海兵隊のような現実直視・臨機応変かつ弾力的な運用を日本人が実際に出来るかどうかが極めて重要ですね。
M14E2
2008/08/08 18:11
四発のニムロッドなんか、まったくいただけませんな。PXより生産数少ないし。
人手不足で艦がほとんど動かせないというオーストラリア海軍も廃止すべきです。
K
2008/08/08 19:12
今は、どこの国でも、民生品でシステム兵器を作る時代にありて、各国の平成大本営は無駄の最たるものに見える。だって、そうでしょう? 今日は母国で兵器を作り、明日は越境奴隷となりて、敵国で兵器を作る越境越後屋経済学(産業のボーダレス化)なる変化の時代に、幕藩防衛なるもんは形骸化し、納税者負担の軽減を図りながら、真の地球村防衛へ革新するなら、テロやゲリラを防犯の範疇に分類し「対テロ多国間市民連帯共同防衛戦線」の構築と、市民オペレーションでなければならないのです。ここに、国防総省、赤軍、人民解放軍を含めた各国平成大本営の戦略破綻があるのです。もう、民間企業エンジニア(天下り企業は別)はバカバカしくて、大本営にも、国防総省の軍人にも、世界の軍事企業にも協力が難しい時代になっていることを認識して欲しい。
guest
2008/08/09 06:39
週刊金曜日立ち読みしました。
しかしあのボリュームで500円は高い!
隣に置いてあった一回り大きくてボリュームもあるSAPIOは480円だったしw
guest2
2008/08/09 19:13
>シーレーンなんぞは存在しません。

シーレーンの定義を調べろ。

>例えば対潜哨戒機を半分にしてあとの>半分を海上哨戒機などで賄うというよ>うなことも考えてみるべきではないで>しょうか。

XP−1は対潜と海上の両方を哨戒する。

>潜水艦は何故か排水量だけは大きくな>る。もっと小型の沿海型の潜水艦と組>み合わせてもいいと思うのですが

日本の海はほとんど外洋だ。


巫女の竜
2008/08/09 19:28
潜水艦の乗員が多いのはなるべく交代の回数を増やし乗員のモチベーション維持のためです

>本土決戦主義から決別しろ
仮にも海上自衛隊のトップがこういう認識というのはなんとも^^;
日本は専守防衛を掲げてるわけですから戦争状態になれば確実に空海が機能喪失しない内に敵が上陸してくる事は確実なわけですからこういう認識されると現場の隊員も大変ですな・・・
>フィクションを前提してまともな軍備ができるはずはないでしょう。
それをあなたがいいますか(笑)

>guest
いつの時代の方ですか^^;
海老天
2008/08/09 22:36
海老天先生へ:国境無き趣味のリアルネットゲーム企画屋である。 そのキーテクノロジーを「遠隔越境制御技術」と言う。 幕藩研究所、幕藩大本営、越境越後屋(大企業)では、コストパフォーマンスに優れた制御デバイスの開発能力は無し。 後は、guest2さんに聞いてよ。しかし、彼を全く知らないのダス。
有人ロボット兵が戦う時代から、遠隔越境制御防衛兵器を配備し「地球規模の善き防衛」とは何かを模索してね。 どうぞ良き夏休みを!
 
guest
2008/08/10 04:46
清谷氏に賛成の1票。護衛艦は削減したほうがよい。潜水艦はAIPの1千トン級でよい。PXもCXもP3C、C130Hの改修でよい。
通行人
2008/08/10 23:00
北村淳はよく考えもせずに陸自を4万人まで減らせとか言ってる困ったオジサンなので嫌いですね僕は。
オーストラリアと日本じゃ安全保障環境が全然違うっていうの。

>通行人氏
あなたが何も考えてない事は良く解りました。
石友
2008/08/11 01:23
>オーストラリアと日本じゃ安全保障環境が全然違うっていうの。

どう違うか教えてほしい。かなりやんちゃをしているから、喜ぶ国も多いと思う。
むろん、オーストラリアが簡単に手を引くとは思えない。
K
2008/08/11 09:38
>K氏
オーストラリアの周辺国には、オーストラリアに着上陸侵攻を仕掛けるような大規模な軍事力を持った国も、弾道ミサイルの照準を合わせている国も無いという事ですよ。
北村淳はそういった事を一切考慮に入れずに「オーストラリアは陸軍の兵力が2万人だから、日本も4万人程度でいい」と主張しているんですよ。

>かなりやんちゃをしているから、喜ぶ国も多いと思う。
>むろん、オーストラリアが簡単に手を引くとは思えない。

仰っている意味が理解出来ないのですが・・・・・・・・・。



石友
2008/08/11 11:34
オーストラリアとて隣国のインドネシアと関係は微妙だ。また、太平洋島嶼諸国の多くに部隊を派遣して、火種を抱えている(評判が良くなく、嫌がられている)。
北村淳氏とやらは知らないが、軍備拡張圧力はかなりあると思われる。

皮肉でオーストラリアを取り上げたのだが、逆の方向で理解されたのでは?
K
2008/08/11 12:37
あの、僕がオーストラリアを具体例に挙げたのは、北村淳の著書にオーストラリア軍を自衛隊も見習えみたいな箇所があったので、それに対する批判としてオーストラリアの名を出しただけです。K氏のレスに対しての反応ではありません。
誤解を招いたのであればお詫びします。
石友
2008/08/11 16:52
TheAll:オーストラリア及び各国軍は、コストパフォーマンスに優れた自律型無人機(UAV)の研究開発は進んでいるように見える。日本は現職者のアレルギーが強くて、この分野の研究開発が進まない。http://polaris.nipr.ac.jp/~pras/uav/australia.html

guest
2008/08/12 05:34
改変を行ったカナダは、慌てて最新鋭戦車や大型輸送ヘリ・大型輸送機等を買うはめになった。
後に旧来の装備が正しかったとなる可能性もある。
K
2008/08/12 14:08
K先生へ:カナダ軍の問題は、カナダの軍事企業に、コストパフォーマンスにすぐレア遠隔越境制御兵器(ハード&ソフト&模擬対戦評価プログラムも)を応用した多種多様な兵器開発が出来る人材が居ないことである。 
guest
2008/08/13 08:07
帰り道に寄ったので、もう一言。
P3Cは多過ぎ。イギリス並みの20機程度で充分。PXは調達を中止して自然減を待つべきだろう。CXはC130Jでよい。そうすればCX・PXの開発費3500億円でC1、25機を全機更新しP3Cの延命改良もできる。国産では調達費は兆を越すだろう。イージス艦なら10隻は買える。F15Eなら100機は買える。他の用途を考えるべきだ。
通行人
2008/08/15 21:24
通行人さんへ
日本の経済水域の広さを考えるとP−3Cは多過ぎる事は無い、20機では確実に少ない。
Pー3Cの延命改良は潜水艦の能力があがってることもあり能力的に限界。
なんでCー130シリーズの面汚しと一部では言われているCー130Jを導入する必要は無い。
巫女の竜
2008/08/16 10:31
整備・訓練・改修中の機体などを除外して、即戦力として投入出来る機体の実稼働率を考えると、対潜哨戒機調達機数を20機程度、などというご意見は非現実的です。
航続距離と積載量の大きい輸送機は必要なので、戦術輸送機に過ぎないC130シリーズでは目的を満足出来ません。
AC130やMC130が必要だというのならば、これは別次元の話で、至急に導入すべきです。
ついでにF22問題で混乱しているFX問題も、FA−18E/Fを導入して母艦展開作戦能力も付与してしまえばよいのです。ついでに空母も強襲揚陸艦も...と夢のような話。
M14E2
2008/08/16 17:48
>通行人氏

適当な事を言わないでください。無責任です。
石友
2008/08/17 01:11
石友先生へ: 通行人さんの言わんとしていることの先には、現在の有人兵器体系を抜本的に見直し、遠隔無人制御兵器の企画能力が無い平成大本営を暗に批判しているのではないでしょうか? 国防総省が、有人戦闘機から、UAVを戦場へ送り込む軍事大革新を推進している時代に、平成大本営の有人兵器至上主義は
民間から見れば、あまりにバカげている。 
guest
2008/08/17 08:16

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