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現在発売中のWiLL9月号に元海幕長、古庄幸一氏と戦略地政学者、北村淳氏の「防衛省変革の時 まず陸海空の比率を変えよ」なる対談が掲載されています。 海兵隊をつくれとか、固定化されている陸海空の比率を変えろとか、本土決戦主義から決別しろとか頷くところも多いのですが、ふたりとも「海の人」のためか、違和感を感じる部分もありました。要は海自の能力を拡大せよというお話ですから。我田引水的なところも多いですね。 特に陸海空で長年固定化されている予算の比率は見直すべきです。この点は現役OBとわず、自衛隊に方にももっと議論して欲しいです。組織防衛ではなく、国防のために何優先されるかという観点にたってですが。 海自の問題は特にシーレーン関する考え方です。海自の主任務はシーレーンの確保だと。 ところが以前から何度も申しておりますが、シーレーンなんぞは存在しません。 我が国の商船会社が保有しいてる商船はその国籍が殆ど、税金の安いパナマやリベリアなどになっています。乗組員も殆どが外国人です。日本人船員は三千人ぐらいまで減少しています。 しかも船員組合は前の戦争で海軍に見殺しにされた恨みもあり、戦時に船には乗らないと公言しています。 ありもしないシーレーンの防御を現役時代ならともかく、退官してまでも振り回すのは如何でしょうか。古庄氏はむしろ後輩のためを思うならばシーレーンなんぞありません、シーレーンをつくるところから始めましょう、ぐらいのことを言って欲しいものです。 それとも同盟国のアメリカが自国の青年の血を流してシーレーンなるものを維持してくれるのでしょうか。 また海自はマラッカ海峡にしろアラビア湾にしろ、外国船を護衛するような任務もできません。いい加減真実に目を見向けるべきです。 フィクションを前提してまともな軍備ができるはずはないでしょう。 また「おおすみ」や「16DDH」のような中途半端な艦をつくるのもこういうことが背景なのでしょう。 予備役が少ないのも問題です。水兵に予備役はおりますが将校の予備役はおりません。戦時に死傷するのは水兵だけなのでしょうか。戦時の人的損耗をどうやって補充するのでしょうか。寧ろ育成するのに20年以上かかるシニアオフィサーこそ予備役が必要ではないでしょうか。 海自に限りませんが予備役制度を導入して、人員の増減の弾力化と適正な予備役の確保が急務です。そのためには現役を減らす覚悟が必要です。 古庄氏は海自は人が足りないといいますが、人よりフネが多いという考え方もできます。人の数に合わせてフネを揃えるという考え方もあるでしょう。 乗組員の多いの旧式艦は廃棄すれば宜しい。しかも海自のフネは潜水艦も含めて総じて自動化が遅れています。足りぬ足りぬと言っているだけでは何も変わらないでしょう。戦時のスローガンに「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」というのがありましたが、海自はこの言葉を今一度思い起こすべきです。 海自は極めて保守的です。このため新しい技術の導入でも遅れを取ることが多い。例えばタービンエンジンもそうだし、ステルス技術もそうです。 潜水艦は何故か排水量だけは大きくなる。もっと小型の沿海型の潜水艦と組み合わせてもいいと思うのですが、何故16隻の大型潜水艦が必要なのかという説明も我々納税者は受けておりません。 またPXも問題です。そもそも四発ですから双発機より保守コストが高くなります。しかもPX専用のエンジンを採用したわけですから、製造コスト、保守コストは極めて高くなります。果たしてそんな贅沢をする必要あったのでしょうか。 巷では四発のエンジンのうち二発は低空を飛ぶときに止めるという「都市伝説」がまことしやかに流されていますが、これはガセです。 前に書きましたが、ぼくは川重の航空宇宙カンパーニー堀川英嗣執行役員とPXの主任設計者に確認しました。 http://tb.bblog.biglobe.ne.jp/ap/tb/0068cf60c3 もっともこのエンジンを世界の民間機メーカーに売りこんでいくとか、ゆくゆくはIHIをGEやロールス・ロイスに匹敵する(とまでは行かなくともスネクマぐらいにはするとか)という野望と、それを実現する計画を防衛省と経産省が持っており、そのための先行投資であるのであれば別ですが。 そもそも調達数60〜80機程といわれているPXが必要なのでしょうか。海上哨戒だけならCASA当たりのプロペラ機やジェットでもビジネス機など安い機体で済みます。例えば対潜哨戒機を半分にしてあとの半分を海上哨戒機などで賄うというようなことも考えてみるべきではないでしょうか。あるいはUAVなどを導入するという手もあるでしょう。 当面既存のP3Cを改良しつつ運用するというオプションもあったでしょう。進出速度が問題ならエンジンやプロペラを換装するという手段もあります。単に大型機の製造能力を維持するのであれば、CXだけで充分です。その後にPXを企画してもよかったのではないでしょうか。その方が生産技術の基盤維持の面からは宜しいでしょう。 海自の戦闘艦には不審船や自爆テロ対策の近接戦闘用の装備が不足しています。25ミリ〜40ミリクラス(またそれ以下のクラスの口径も)の機関砲や暗視装置を備えたリモートウェポンステーションもありません。インド洋での作戦行動を行っているにも関わらずです。しかも諸外国ではゲリラやテロに備えて武装した乗員あるいは海兵隊に艦内の警備をさせていますが、乗員が不足しているからといって、こういうことをさぼっていいわけはないでしょう。そのうち高い代償を払うことになります。 海兵隊はこのような用途にも是非必要です。 人間が足らないならオカで余っているのを乗り組ませればいいのです。それでも足りないなら旧式艦を退役させればいいです。予算はない、人がたりない、でも艦の数(艦長など将校のポスト)を減らすのは嫌と現状維持を決め込んでいるは思考停止です。 話は変わりますが、なんと本日発売の「週刊金曜日」に、ぼくの自衛隊に関する原稿&座談会が掲載されております。表紙はどーんと「新戦車」!是非店頭でチェックしてみてください。 http://www.fujisan.co.jp/Product/5723/b/206629/ |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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仮に「日本国海兵隊」を研究するについては、旧海軍による「陸戦隊」的な矮小な運用思想からは脱却していただきたいですね。 |
M14E2 2008/08/08 18:11 |
四発のニムロッドなんか、まったくいただけませんな。PXより生産数少ないし。 |
K 2008/08/08 19:12 |
今は、どこの国でも、民生品でシステム兵器を作る時代にありて、各国の平成大本営は無駄の最たるものに見える。だって、そうでしょう? 今日は母国で兵器を作り、明日は越境奴隷となりて、敵国で兵器を作る越境越後屋経済学(産業のボーダレス化)なる変化の時代に、幕藩防衛なるもんは形骸化し、納税者負担の軽減を図りながら、真の地球村防衛へ革新するなら、テロやゲリラを防犯の範疇に分類し「対テロ多国間市民連帯共同防衛戦線」の構築と、市民オペレーションでなければならないのです。ここに、国防総省、赤軍、人民解放軍を含めた各国平成大本営の戦略破綻があるのです。もう、民間企業エンジニア(天下り企業は別)はバカバカしくて、大本営にも、国防総省の軍人にも、世界の軍事企業にも協力が難しい時代になっていることを認識して欲しい。 |
guest 2008/08/09 06:39 |
週刊金曜日立ち読みしました。 |
guest2 2008/08/09 19:13 |
>シーレーンなんぞは存在しません。 |
巫女の竜 2008/08/09 19:28 |
潜水艦の乗員が多いのはなるべく交代の回数を増やし乗員のモチベーション維持のためです |
海老天 2008/08/09 22:36 |
海老天先生へ:国境無き趣味のリアルネットゲーム企画屋である。 そのキーテクノロジーを「遠隔越境制御技術」と言う。 幕藩研究所、幕藩大本営、越境越後屋(大企業)では、コストパフォーマンスに優れた制御デバイスの開発能力は無し。 後は、guest2さんに聞いてよ。しかし、彼を全く知らないのダス。 |
guest 2008/08/10 04:46 |
清谷氏に賛成の1票。護衛艦は削減したほうがよい。潜水艦はAIPの1千トン級でよい。PXもCXもP3C、C130Hの改修でよい。 |
通行人 2008/08/10 23:00 |
北村淳はよく考えもせずに陸自を4万人まで減らせとか言ってる困ったオジサンなので嫌いですね僕は。 |
石友 2008/08/11 01:23 |
>オーストラリアと日本じゃ安全保障環境が全然違うっていうの。 |
K 2008/08/11 09:38 |
>K氏 |
石友 2008/08/11 11:34 |
オーストラリアとて隣国のインドネシアと関係は微妙だ。また、太平洋島嶼諸国の多くに部隊を派遣して、火種を抱えている(評判が良くなく、嫌がられている)。 |
K 2008/08/11 12:37 |
あの、僕がオーストラリアを具体例に挙げたのは、北村淳の著書にオーストラリア軍を自衛隊も見習えみたいな箇所があったので、それに対する批判としてオーストラリアの名を出しただけです。K氏のレスに対しての反応ではありません。 |
石友 2008/08/11 16:52 |
TheAll:オーストラリア及び各国軍は、コストパフォーマンスに優れた自律型無人機(UAV)の研究開発は進んでいるように見える。日本は現職者のアレルギーが強くて、この分野の研究開発が進まない。http://polaris.nipr.ac.jp/~pras/uav/australia.html |
guest 2008/08/12 05:34 |
改変を行ったカナダは、慌てて最新鋭戦車や大型輸送ヘリ・大型輸送機等を買うはめになった。 |
K 2008/08/12 14:08 |
K先生へ:カナダ軍の問題は、カナダの軍事企業に、コストパフォーマンスにすぐレア遠隔越境制御兵器(ハード&ソフト&模擬対戦評価プログラムも)を応用した多種多様な兵器開発が出来る人材が居ないことである。 |
guest 2008/08/13 08:07 |
帰り道に寄ったので、もう一言。 |
通行人 2008/08/15 21:24 |
通行人さんへ |
巫女の竜 2008/08/16 10:31 |
整備・訓練・改修中の機体などを除外して、即戦力として投入出来る機体の実稼働率を考えると、対潜哨戒機調達機数を20機程度、などというご意見は非現実的です。 |
M14E2 2008/08/16 17:48 |
>通行人氏 |
石友 2008/08/17 01:11 |
石友先生へ: 通行人さんの言わんとしていることの先には、現在の有人兵器体系を抜本的に見直し、遠隔無人制御兵器の企画能力が無い平成大本営を暗に批判しているのではないでしょうか? 国防総省が、有人戦闘機から、UAVを戦場へ送り込む軍事大革新を推進している時代に、平成大本営の有人兵器至上主義は |
guest 2008/08/17 08:16 |
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