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zoom RSS 大英帝国の核戦争最大の懸念は紅茶だった。

<<   作成日時 : 2008/05/07 00:15   >>

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核戦争の最大の懸念は放射能ではなく紅茶不足、50年代の英公文書
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2387271/2899391

 はあ、そうですか。というような話です。
 当時英国は戦闘機よりも戦略爆撃機に力を入れていた時代ですね。Vシリーズなんて似たな爆撃機を3種類もつくったりもしました。

 嗜好品とは不思議なもので、本来は別に無くても困らないものです。英国人が紅茶を飲み始めたのは僅か数世紀前からです。それがいつのまにやら必需品=戦略物資です。

 英国でも紅茶よりはコーヒーの普及が早かったわけです。それまでビールを飲んでいたのがコーヒーを飲むようになって「しらふ」での議論が可能となり、理性的な議論が出来るようになって英国を含む欧州では哲学やらが発達したといえるでしょう。

 保険で有名なロイズもコーヒーショップでした。ですから未だにロイズの従業員はウェイターと呼ばれています。ですがロイズが保険を始めた当時、人の不幸を商売(ある意味ギャンブルですよね保険は)にしやがってという批判が多かったそうです。

 英国は植民地のインドで茶を栽培するようになったこともあって「外国製」のコーヒーよりも「自国産」の茶を消費する方が国策に合っているということでコーヒーやら紅茶に「嗜好品」を変えました。
 茶が入ってきた頃は、中国や日本がお手本ですから緑茶を飲んでいました。茶器や茶碗も日本製や中国製でした。コーヒーもそうですが、それまで欧州では熱い飲み物を飲む習慣があまりなかったので、茶碗から受け皿にコーヒーやお茶を垂らして冷やして飲んでおりました。受け皿は元来そのためのものだそうです。
 
 それでも如何に茶を旨く飲むかということには苦労したようで、かなりの試行錯誤があったようです。「国産品愛好」は苦難の道だったようです。紅茶にミルクと砂糖を入れて飲むという習慣、それから現在のようなカップを使うようになったのはかなり時代がくだってからの話だそうです。
 因みに上品なティーカップを使うのは中流以上、労働階級はマグカップという棲み分けがあります。まあ昨今はさほど気にしなくなりましたが。軍隊でも同様ですが、野戦では将軍もマグカップを使用しているようです。
 労働者階級出身のメージャー首相は首相になってもマグカップを愛用していました。これは労働者層にアピールしようというスケベ根性もあったのかもしれませんし、単に習慣を変えなったのかも知れません。

 実際核戦争という非常事態で心休まる「ティータイム」が楽しめないとなると社会問題でしょう。
 たしかにコーヒーや紅茶を飲んでほっと一息がなくなれば殺伐とするでしょうし、士気も下がるでしょう。
 まあ大英帝国がインドを植民地にしていなかったら、これが紅茶ではなくてコーヒーだった可能性もあります。

 前も書きましたが、かつて英国のコーヒーは非常にまずいものでした。ウデマイヤー将軍の回想録を読むと大戦中に英国に赴任した米軍将校はコーヒーが極めてまずくて難儀したそうです。
 
 ぼくが初めてロンドンに行った頃も雑巾の絞り汁みたいな(まあ実際に飲んだことはありませんが)コーヒーが多かったです。しかもロンドンのウエストエンドでもエスプレッソを飲める店は非常に稀でした。当時コーヒー党(ことに深入り、エスプレッソ好き)のぼくには大変苦痛でした。
 
 街中に茶店(ティールーム)があるかというとこれまたさほどない。パブでもコーヒーや紅茶は飲めるのですが、当時は昼食後から夕方まではパブが営業禁止だったのでこれまた日中に茶を飲めるところが少なかったわけです。そんなこともありマクドナルドが大人気でした。
 現在ではロンドンはおろか、田舎の町や駅にもコーヒー屋があります。ロンドンなどスタバを含めてあちこちに小洒落たコーヒー屋があります。
 
 残念なことにぼくは数年前から紅茶党に鞍替えしたので、昔ほどありがたみを感じません(かつては毎日10杯以上もコーヒーを飲んでいたのが嘘のようです)。何とも皮肉です。


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コメント(3件)

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 キヨタニ様

 明治時代に輸入され鹿児島県で栽培されている品種の紅茶があるのをご存じですか。先日初めて口にしましたが、従来から知られた品種と比べても劣る所は感じられず、おいしかったです。(品種名は忘れてしまいました。すみません)
 私は最近緑茶を見直しました。口内の雑菌の繁殖を抑える働きがあるようなので口臭予防にもなります。
 伊郷五十八
2008/05/07 01:11
「篤」という商品名で売り出しましょう。>鹿児島産紅茶

 ジョン・ブルの悪食批判する割には、米軍レーションのコーヒーのまずさには辟易させられますね。とても英国の悪口言えるとは思えない。MREの欠点は、コーヒーにあり。(MREのメインディッシュやピーナツバターも、とても美味いとは言えないが。)
 英国人のお茶に関する拘りは、戦場においても変わりなく、朝鮮戦争当時も国連軍の砲兵陣地が撃ちまくっているさなかに、英軍砲兵だけが突如沈黙。他国軍が「何さぼってんねん?」とイチャモンつけると、すまして「お茶の時間だ」。で、お茶の時間が終わると、前にも増して景気良く撃ち始めましさとさ。
 英国の紅茶は、ビールの代用とも、ミルクの代用とも言われますが、どっちが正しいのでしょうね。(帆船時代の英国海軍では、長期の航海では気の抜けたビールが唯一の飲料だったそうだから、反乱起きるのも良く分かる)
土門見人
2008/05/07 20:34
>鹿児島県で栽培されている品種の紅茶
なるほど。
紅茶って単に緑茶を発酵させるだけじゃダメなんでしょうかね。
玉露の紅茶とか。
キヨタニ
2008/05/08 09:58

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