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zoom RSS スホーイのコミューターとMRJ

<<   作成日時 : 2007/09/30 00:39   >>

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http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070927AT2M2700F27092007.html

さて、三菱重工のコミューター、MRJが開発に向かって粛々と進んでいるわけですが、ほぼ同じ機体規模の機体は他国でも開発しているわけです。
 
 スホーイのように。同社のスーパージェット100はまさにMRJと正面からぶつかるわけです。
しかも開発ではあちらの方がはるかに進んでいるわけです。

 しかもイリューシン、アリエナ、ボーイングなどまで巻き込んでいます。特に注目すべきはタレスが大きく開発に関わっています。タレスはエアバスのみならず、エンブラエル、ボンバルディアなどのアビオニクス、システム統合を担当しています。コミューターのアビオではタレス・カナダは最大手です。

 スーパージェット100が先進国で受け入れられるかどうかは未知数ですが、ロシアはプーチンが国内の航空会社にごり押しをしてでも押しつけるでしょうから、赤字がでない程度に売れるでしょう。

 しかもスホーイの戦闘機のブランドは売り込みの際にある程度役に立つでしょう。
 中身はタレスやらドイツのリーブやら手慣れた欧州の企業が担当していますから、それほど酷いレベルにならない。それどころかある程度先進国のエアラインも興味を持つかもしれない。まあ、ボーイングの販売協力はたいして当てにならないでしょうが。

 自国内だけでなく、外国の企業も上手く取り込んで事業を行うという構想力、マーケティング力はさすがです。

 これと比べるとMRJの開発および事業化構想は極めてプアな気がします。こういうことをいうと「愛国者」の方々からは嫌われるのですが。ですが、客観的にみて事業として成功する確率はスホーイの方が遙かに高いように思われます。

 経産省の腰も定まっていないし、何より航空産業の育成というテーマを国家として持っていない。しかも、川重はPXベースの機体をつくるとかいっているし、タダでさえ少ないリソースを奪い合っている。それに重工の航空部門の売上高と経常利益の額をみればMRJは過大なプロジェクトに思えます。

 MRJに対して期待したい気持ちはよくわかるのですが、判官贔屓みたいな国内報道が多いのは気になります。実は「盲目的愛国主義」あるいはマーケティングを無視した日本技術的優位を根拠(それは実はイリュージョンなんですが)を論拠する議論は事実を直視することをさけ、結果として我が国の航空産業の発展を阻んでいると思います。

 ぼくは航空産業の振興をもっと真剣に考えるべきだと思っていますが、我が国の政府も、業界も当事者意識が低いように思えます。


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コメント(11件)

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MRJが第二のMU-2、MU-300にならない事を願っています。今のMRJ=三菱重工業には「岩崎弥太郎」的人物が必要では?と、思っています。
グラマン
2007/09/30 01:27
The All:**重工も、好漢−石破防衛省大臣も、平成大本営防衛官僚も、隣国の陸軍演習場で行われる模擬戦闘の重要性を多分、理解が出来ないのは残念である。ましてや、コストパフォーマンスに優れた自律+遠隔手動型長距離飛行UAVの試作重要性認識と、飛行シミュレションー能力が皆無なのが悲しい。

ソースはココ→http://www.chosunonline.com/article/20070914000042
guest
2007/09/30 06:46
スンマセン。切れちゃって。→http://www.chosunonline.com/article/20070914000042
guest
2007/09/30 06:49
スンマセン。切れちゃって。続き、
/article/20070914000042
guest
2007/09/30 06:50
昔みたいに無理難題な要求性能出して、それ以上に応えちゃう!というのは、、
全く期待出来ませんよネェ。
unimaro
2007/09/30 15:09
そういえば、PXが初飛行しましたね。石破大臣が防衛庁長官時代に、PXを中止してのP8への参加を打ち出して、官僚と防衛産業に潰されましたが、再びの大臣就任で巻き返しに期待が掛かるところです。ところで、P8の開発状況はどうなっているのでしょうか?既存機の改造というコスト面でも優れた当然の開発方針を取れる国が羨ましいです。
gin
2007/09/30 18:39
>P8の開発状況
 おかげさまで絶賛開発難航中という話しか聞こえてこないようですが・・・
 当然コストもうなぎ上りとか。
みづせ
2007/10/01 00:27
こう言うのもなんですが、スホーイと三菱を比較してスホーイが優位だとの状況でもないんじゃないかと思うんですが・・・・・。
コックピットは三菱が主翼などを生産するボーイング787と同等のものが採用さていますし、ライバル社より20パーセントの燃費削減、横4列の座席と薄いシートによる足元空間の確保が評価されれば、国内だけでなく海外での販売もそれ相応に望めるんじゃないでしょうか。
米ボーイングがMRJ事業主体への出資を検討しているようですし。

>>gin氏

実機を製造した時点でPXで決定です。ボーイングも日本にP-8を売り込まないと宣言していますし。

で、P-8ですがこの機体、低速飛行をする際は片方のエンジンを停止して飛行する計画でいたらしいのですが、実際にそのようにして飛行した場合、機体の安定性を保てなくなり、真っ直ぐに飛行出来ないらしいんですよ。
解決策としてPXと同じように四発エンジンにしてしまおうという話もあるらしいですが・・・・・・・・。

どっちにしろ日本はPXを選んで良かったと思いますよ。
石友
2007/10/01 05:06
The All:みんなどうかしてる。時代は有人機を超えて、コストパフォーマンスに優れた自律+遠隔手動操縦型長距離飛行無人機の研究開発と試作の時代である。問題としては、**重工も、国家研究開発機関、なによりも、平成大本営にその飛行概念も、遠隔手動操縦飛行制御デバイスも、全世界と競争できるだけの企画能力が無いことであると、気付くべし!
ココ→http://cliplife.jp/search/?query=UAV
guest
2007/10/01 07:33
じつは、スホーイさんとMRJはマーケットが少々違うんですよね。スホーイさんの方が少々大きめ。
また、スホーイさんの強みはキヨタニさんご指摘のタレスだけでなく、アレニアの関与も大きいです。おかげでスホーイさんはアリタリアからの受注を獲得しており、欧州におけるエアバス系とは異なる航空機開発ラインを形成しそうです。
まぁ、なんとか形にはなりましたが、開発は難航しているらしいですが…。

PXとP8の関係は、新規開発と既存機改造の優劣を論じるよいお題になりましたね。特にP8が開発スケジュールはまだしも、開発費がスカイロケットで、このままでは1機220億を超えそうとか風の噂に聞きますに、KC767も含め、ボーイングさんの開発、インテグレーション能力に多分の不安を感じてしまいます。
彩葉
2007/10/05 12:01
すんません、上のレス、ものすごい事実誤認がありましたんで無視して下さい…。
具体的にはスホーイさんの機体規模。
彩葉
2007/10/05 23:42

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