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zoom RSS ベルギーのコンゴ人留学生、黒人差別を助長しているとして「タンタンのコンゴ探検」の出版禁止を訴え

<<   作成日時 : 2007/08/09 22:41   >>

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 差別に関する問題は難しいですねえ。
 確かに留学生のいうことは正論でしょう。

http://www.47news.jp/CN/200708/CN2007080801000113.html


 何しろコンゴではベルギー人はかなりの悪さをしてきましたからね。搾取とかいうレベルじゃありまでしたからね。その昔コンゴはベルギーの植民地ではなくて王様個人の所用物だったわけです。でまあ、苛烈な搾取を行ってきたわけです。

 タンタンの作者のエルジェはベルギー人です。BD(ベーデー)いわゆるフレンチコミックはベルギー人の作者、出版社で出されています。ベルギーの出版物の輸出の内、35パーセントはBDです。  まあフレンチコミックといってもフランスの漫画ではなく、フランス語圏の漫画というわけです。
 タンタンは日本でいうと「冒険ダン吉」「正チャン」やら「のらくろ」に当たる作品で、エルジェには弟子やらその系列の画風の人が多く、誤解を恐れずにいえば、BDの手塚治虫のような存在です。

 さて、タンタンが発禁となると他の作品はどうだ、ということになります。例えばスイフトの「ガリバー旅行記」、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」、「ジャックと豆の木」や「蝶々夫人」もそうですね。「猿の惑星」「戦場に架ける橋」だって日本人に対する偏見と恨みで書かれた作品です。 

 基本的にこれらは非ヨーロッパ人に対する偏見に基づく認識で書かれています。これら傑作といわれている文学作品全部封印ということになります。それはそれであまり文明的ではないような気がします。

「冒険ダン吉」でもダン吉が南洋の「土人」(殆ど黒人のように描かれている)を「蛮公」とよんでます。で、 「蛮公」はみんな同じに見えるので背中に白ペンキで番号を描いて区別するという・・・・
漫画「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ少佐が部下をアルファベットで呼ぶようなものですが、まあ当時はどこが悪いのってなものです。


 仮にそれをやったとしてもでは差別がなくなるか。無くなりません。

 むしろ、そのような作品が書かれた背景というものを理解する絶好のテキストとして後世に残すべきです。

 まあ、傑作と呼ばれる文学作品なっていったって大抵ろくでもないきっかけやら趣向で書かれたものばかですから。名作が崇高である保証なんてないし、人間がまったく偏見から解き放たれたニュートラルな立場で思考ができるわけでもなし。
 後世から必ずおかしなところがるわけです。
 今日日映画の喫煙シーンだって問題になっておるわけで、そんなこと20年ぐらい前には想像もできなかったでしょう。

 そこで、妥協案として作品が書かれた自体背景の解説を載せてはどうでしょうか。それが作品を残し、また差別の本質を知る手がかりになると思います。まあその解説を誰がどのように書くかがこれまた難しいのですが。

 臭いものには蓋、では差別の撤廃につながらないでしょう。


参考文献
日本人の黒人観―問題は「ちびくろサンボ」だけではない
日本人の黒人観―問題は「ちびくろサンボ」だけではない

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コメント(13件)

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>臭いものには蓋、では差別の撤廃につながらないでしょう

すべてがこれに凝縮されているような気がします。
「なぜ」いわれなき差別をするのか?それは本当に謂れなき差別なのか?
謂れなき差別やいじめなどすべてに通ずるものがあるように思えます。「なぜ」の追求を怠る怠け者、愚か者の手では助長はあれ、なくなりはしないでしょう。
unimaro
2007/08/09 23:22
フランダースの犬の舞台はベルギーのアントワープだったと思いますが私が間違えてますか?
ギカントロケット
2007/08/09 23:32
日本人は特に「臭いものに蓋をする」傾向が強いですよね。
民族性なんでしょうか。
石友
2007/08/09 23:33
>フランダースの犬の舞台はベルギーのアントワープだったと思いますが

ぼくの誤りです。訂正させていただきます。どこかで情報を脳内合成しまったようです。
キヨタニ
2007/08/10 00:03
ギリシャの歴史家ヘロトドスはギリシャ文明はエジプト文明から盗んだものだという事を書き、そのエジプト人も黒人であるとか、モーゼも黒人説もあるくらいですし、またレコンキスタ後のスベインは当時のヨーロッパにはない紙幣やサフランやスパイスや噴水やレストランがあり、白人よりも黒人やイスラム教徒の方が野蛮人という説を白人は躍起になって否定し潰しにかかるし、それと爆乳とパンチラの一騎当千DDというアニメは中国共産党や反日団体が三国志に対する侮辱だという言い掛かりも許される事になると思います。 それと中国や白人の歴史学者は日本人は権威主義で権威に従い自分の考えがないと糾弾しますがそれは朝鮮人や中国人や白人にもいえる事だと思います。
ギカントロケット
2007/08/10 08:38
訂正します。白人よりも黒人やイスラム教徒の方が野蛮人だと書き込みましたが、黒人やイスラム教徒よりも白人の方が野蛮人の間違いでした。ごめんなさい
ギカントロケット
2007/08/10 08:45
どんな絵本か気になったので検索してみたところ、日本語公式ページを見つけました。
http://www.tintin.co.jp/

ソヴィエト、アメリカインディアン、チベット... 苦情に対応していたら、すべて出版できなくなってしまうのでは?
centromezzo
2007/08/10 11:50
言論の自由を守ることと、それによる被害とは別個のことにはならないんですかねぇ。
「出版はしてもいいですよ、ご自由に」「被害者が出ました、賠償しなさい。追加出版しますか?一冊に付きおくら賠償ですよ」「また、反論本を一緒につけてくださいね。」
みたいな形で。
unimaro
2007/08/10 11:58
多分無理だと思います。なぜならば差別されているとされる作品や著作物の表現の自由の制限や組織的糾弾によって謝罪を強要したり、意見を撤回させる事が目的であって、差別を解消する事はその組織やプロ市民の手段だからです。皮肉をいえば組織の維持や存続が重要ミッションであり差別解消は建前にしかすぎないという事です。ニューズウィーク日本版でグリンピースは環境保護団体であり市民団体でありテロリストではないというプロ市民の眠い投書や日本の週刊誌を無断盗用しても記者やれるデブの白人女に表現の自由を与えても、反対意見は掲載されません。
ギガントロケット
2007/08/10 14:19
アメリカでは黒人のことを「アフリカン・アメリカン」と呼ばねばならず、「ニグロ」だの「ブラック」だのと呼ぶと殺される事さえあるらしいですね。そのくせかの国には履歴書に「人種」という欄があり、わずか16分の1でも黒人の血が入っていると「アフリカン・アメリカン」と書かなければならないのだそうで。言葉の言い換えをする前にそういうケツの穴の小さいところを何とかしないと差別なんて永遠になくならないでしょう。 
 我々日本人を学校の教室で「東洋鬼子」と教えている国や、日本で暮らしている同胞をパンチョッパリと呼んで差別する国よりはマシかもしれませんが。
きるすてん
2007/08/10 14:57
その昔にNHK教育でアメリカの海外ドラマでサブリナというのがありました。内容は乳はデカいが性格が悪そうな白人デブ女が魔法を使って何でも解決する御都合主義な話ばかりでした。このドラマは数字が取れないといったプロデューサーをクビにしてサブリナ役のメリッサ・ハートジョーンズみずから監督となったのですが御都合主義で目茶苦茶つまらなかったです。まあこの白人デブ女自身が白人優位主義者で創造性がなく、日本のアニメのドレミの話を無断で盗用していました。しかも、この白人デブ女のサブリナは現在はスカパーのディズニ―チャンネルで放映されていますが、極端にアジア系や黒人が出てこない白人優位主義者の作ったドラマは放映は良くて、日本のアニメは児童ポルノだからダメというディズニ―の二重基準にはあきれます。ディズニーはプリンセス5というプリキュア5のパクリアニメを作りました。黒人や日本人のパクリを白人がやっている証拠です。
ギガントロケット
2007/08/10 19:50
どうも、どの国でも差別はあるようでした。日本は差別がひどすぎる、というのは・・・意図的なのか無知なのかだと思う。外国での差別は日本より根の深い所にある気がしました。
ただ、部落差別だけは我々の軽薄かつ愚かさを証明していると思う。
ゲントク
2007/08/13 11:10
オバケのQ太郎も封印されてしまったし・・・いやはや。
シロ
2007/08/21 15:38

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