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zoom RSS 「正しい和食」認証制度に米メディア猛反発

<<   作成日時 : 2006/12/15 23:23   >>

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 日本食ブームで、世界では怪しげな日本食レストランがで増えており、そこで農水省が正しい日本食レストランと認証する制度の導入を検討、これに米国のメディアが国粋主義だとかみついております。

 この問題は二つの問題に成っています。日本食を現地風にアレンジする事の是非、それから日本料理とは異なる似非日本料理の問題です。

 前者に関してぼくは何のレギュレーションも必要ないと思います。カリフォルニアロールは立派な寿司のメニューだと思いますし、現地の人間の味覚や食材に合わせて料理は変わっていくことが普通だからです。本邦において餃子、ラーメン、コロッケ、カレーライスなどは独自の発展を遂げましたが、それがオリジナルと異なっているといって「異端」で劣ったものではないでしょう。
 かつて広告業界で社長に寿司屋につれて行かれたときにサーモンを頼んだらバカにされたことがありましたが、当時でもヨーロッパでサーモンは非常にポピュラーなネタでした。ところがそんな人が軍艦巻きなんぞという戦後に発明されたメニューを嬉々として食べるわけけです。新しいメニューでも日本人が考えれば日本料理で、外国人が考えたものは外道というのは了見が狭いです。

 だいたい今日江戸前寿司といってもどれだけのネタが江戸前、あるいは「日本製」だというのでしょうか。

 日本料理といっても肉を食べ始めたのは明治からです。野菜にしてもサツマイモ、なす、にんじん、カボチャ、ジャガイモ、多くのものは外国が原産です。元々日本に会った野菜はウドとかごく少数と言われております。

 そばにしても昔は醤油を使った汁ではなく、味噌を使っておりました。伝統を重視するならば味噌の汁で喰うべきです。

 そういう背景を知っていれば、現地のアレンジを許さない、といった考えはナンセンスということが理解できるでしょう。

 問題は第二の方です。先日シンガポールやら南アフリカで寿司を食べましたが、単に冷や飯の塊に生魚の切り身を載せたものが「寿司」として通用し、結構な値段を取っています。またみそ汁にしても出汁が入っているのか、いないのか分からないのもあったりしました。

 つまり和食の基本を分かっていない人間が、儲かるからといってインチキ日本食レストランを始めたり、メニューに和食を入れたりします。これは問題です。今は流行ですからいいですが、食べてみて「日本食はファッションで実は美味しくない」と思う人が増えるという可能性が増えることが心配されます。

 換言すれば日本料理の基礎は知っているがアレンジをしてオリジナルを生み出すのはOKだが、基礎も知らないのは駄目ということです。

 しかしながら、熱意はあるが技術が伴わない場合も多々あるわけで、これをインチキというのはどうかと思います。当面インチキ日本料理が幅を利かせるでしょうが、そのうち淘汰されると思います。
 
 まあ、厳密に言うと日本でフランスパン=バゲットと称しているものはフランス人の感覚からいうと、とてもバッゲットとは言い難いものが多かったりします。

 かつて我が国ではスパゲティ・ポモドーロを模した「ナポリタン」なるケチャップをまぶしたウドンもどきがスパゲティと呼ばれていました。

 またイタリア人はピザにタバスコをかけません(地方によっては唐辛子を刻んだものをかけたりしますが)から、タバスコを置く店は「イタリアンレストラン」ではない、といいう理屈も成り立ちます。すべての国があまりに「正統性」を歌うと息苦しくと思います。

 しかも餃子だって今や日本料理です。海外の日本食レストランでも餃子はポピュラーです。餃子やカレーライスまで日本料理に含めるのでしょうか。含めないとすればそれは現在の日本食の実情を無視したものになります。含めたら含めたで、中国やらインドから物言いが入るでしょう。

 農水省はむしろ、目安による技能検定みたいなものを外国で開催するべきでしょう。例えば英検のような。それに合格した人間には級に応じて認定書を渡す。その認定書を掲げた店ならば、最低限のレベルはクリアしているという証明になります。



 アメリカ人が国粋主義だといっているのは自分たちに誇れる食文化がないから故のジェラシーでしょう。




http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/061210/shk061210000.htm



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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
アメリカではミシュランの評価でも騒ぎになっているようです。
騒ぎになるということは、この評価制度を重大視しているということで、大成功です。
まったく無視される可能性もありましたから。
K
2006/12/16 01:13
そう、無視・無関心の方が恐ろしい。
実際、海外で日本食がらみで騒ぎになるのは、特定アジア人による似非日本食によるものがほとんどですから、騒ぎになって、実態が広く知られるのは歓迎すべき事でしょう。
以前、海外で女体盛りを出す日本料理店が、女性蔑視だと騒がれた事がありましたが、あれは韓国系の店だったと記憶しています。
Tammy
2006/12/16 14:08
モデルを提示しておくことは必要でしょうね。
日本では、グルメ番組なども多いですから、一般人もそれなりに理解した上で、和風アレンジの各国料理を食べているわけなんですが、海外ではどうなんでしょうね、このあたりの事情は?
sleep
2006/12/17 01:09
先月、シンガポールの友人と共に日本でも有名な観光の島にダイビングに行ってきました。東の島に渡る港のダイビング客御用達の食堂で昼食とななりました。メニューに新しく「Japanese」の項目が追加され“KATU-DON”の文字が踊っているではありませんか。
早速試しに注文し、出てきたのはご飯の上に生玉ネギのスライス。その上に赤い色の鮮やかな焼豚風ポークソテー。そして千切った食パン。又その上に目玉焼き。最後に砂糖醤油が振り掛けられていました。シンガポールの友人は「いつも食べているカツ丼」と違うと大受けでした。味の方は御察しの通りでした。
 例え日本料理のアレンジであっても肝心なのは美味しいか否か?だと思いますが。
インドネシア駐在
2006/12/17 12:21
千切った食パンってのは、パン粉をまぶして豚肉を揚げるのを勘違いしたんでしょうが、なにか、調理法のテキストが存在して、それを誤解しているような雰囲気がありますね…。
海外では人気のメニューみたいですね、カツ丼
http://www.tabisora.com/travel/053.html
sleep
2006/12/17 23:51
かつてトラック島にいったときは昼のオプショナルツアーの弁当は「幕の内弁当」でした。ホテルには鍋焼きうどんもありましたが食する機会を逸しました。残念。
キヨタニ
2006/12/20 00:06
 ここは、ヨコハマタイヤか、ブリジストンに自腹を切ってもらって、和製ミシュランの創設を……
土門見人
2006/12/20 00:20
真面目な話、ブリジストンが世界でガイドブック作って売れば結構儲かると思いますが。
キヨタニ
2006/12/28 00:03

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