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zoom RSS 若手研究者に独自の研究室、スタッフを−文部科学省の大学改革

<<   作成日時 : 2005/12/04 23:24   >>

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 文部科学省は大学改革の一環として今までの硬直した教官のヒエラルキーを見直すべく、若手研究者をもっと優遇する政策をとることを決めたそうです。

 具体的には、若手に独立した部屋とスタッフ、研究費を与えて、教授、助教などから独立させるなどの方策がとられるようです。

 大学、特に文系では若い助手などの若い学者が教授の鞄持ちなどを強要されるなど、悪しき徒弟制度が根強く残っています。
 昇進にしても業績より忠誠心が優先され「○○君はまだ若いから」などと実力無視の年功序列人事が行われています。
 
 ところが才能のある奴、特に理数系では20代30代で独創的な成果を上げる場合が少なくありません。アインシュタインなどその好例でしょう。
 反面「麒麟も老いては駄馬に劣る」という言葉もありますが、若い時代にこそ偉業を成し遂げる研究者も少なくないわけです。 

 ですから年功序列というのは馬鹿げたシステムです。
 しかも教授が何といおうと持論を通す気骨のある人物は疎まれ、イエスマンが出世する傾向があります。甚だしいのは助手や部下の成果を横取りして自分の名前で発表するような輩までいます。そして研究もせんと、学内政治に精を出すセンセイ方が増えるわけです。

 故に実力がある(中にはあると勘違いしてる人も少なくはないのですが)は新天地を求めて外国にいきます。いわゆる頭脳流出です。
 アメリカの大学をヨイショつもりはありませんが、アメリカなんか教授は個人商店みたいなものでえげつないところがありますが、チャレンジもさせてくれない日本の大学よりはましでしょう。

 今度の改革を行うなら、併せて研究者、教官と学内行政を分けるべきです。
現在は教官が校内行政を行っているので、非常に醜い政治闘争が学内で行われております。日大なんぞはその好例です。
 そもそもプロパーの教授なんて学校から世の中に出たことがないのが多く、学内でセンセイ、センセイと呼ばれるので偉くなった思っている「井の中の蛙」が少なくありません。

 ですから諍いが非常に子供っぽい。
 ぼくの出た学科では第7研究室が二つありました。これは教官同士が仲違いして同じ第7研究室を名乗っていたわけです。で、授業では教官がお互いの悪口を学生に言いふらす。
 あんたら社会人か、と呆れていました。それを放置している学部長、大学当局にも当事者能力がないのは明らかです。

 ですから学内行政は別系統にすべきです。ぼくはそう思います。

 それに教官も研究者と教養学部で徹底的に基礎をたたき込む予備校の教師型の教官に分けるべきでしょう。
 研究者と言いながら、何年も論文一本書かない手合いも多数います。
 また、10年以上も同じノートで講義する教官もいます。学生時代はこういう人たちにはお引き取りを願いたいと学生=顧客として感じていました。

 それから酷いのは盗用です。近年では論文の盗用が非常に多く発覚しているそうです。
 いままでも文献の盗用、特に海外からの盗用は少なくなかったんですが。何故発覚が増えたかというと、それはネットの発達で盗用がばれることが増えたからです。
 
 少し前、某有名大の教授の論文を他の大学の教授が盗用し、これに抗議したところ、
「真理を探究すれば同じところに辿り着く」
といけしゃあしゃと開き直ったそうです。
 で、あるとき某ホテルであった大学関係者の集まるパーティで盗用された教授が相手のぶん殴ってその場で土下座させたことがあったそうです。

 大学改革の先は長いようです。

若手研究者に独立の部屋やスタッフ、旧弊打破へ新事業
(読売新聞) - 12月2日10時42分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051202-00000401-yom-soci

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
もう、納税者負担による研究開発は意味が無いとおもう。結局、生産は企業がやることになり、その果実は、国内外に流れるので納税者への還元は薄い。ある研究テーマーに片や納税資金が関与し、片や自己負担や能力や時間やリスクを負ってやるビジネスアンフエアーを発生させることは不正義でる。

国家(幕藩体制)の威信、覇権、エゴイズムの発露なる研究開発ではもう地球が持たない。
やるなら、「地球村」化で、研究開発マネジメントを推進する方向にしないといけない。

guest
2005/12/05 07:33
研究者とは、私もその昔に目指そうかなどと、分もわきまえず大それた夢想をした職種ですが。
制度改革するなら、研究課題によっては時間ばかりかかって成果の見えにくい分野もあるので、そういう研究者にしわ寄せがいかないようにしてもらいたいですね。それと、ソフトウェア特許のような馬鹿げた制度の拡充にならないように願うのみです。
thin
2005/12/05 07:53
>第7研究室が二つ
民主的じゃありませんか!
別段、学内行政なんて関係ないと思います。
悪口結構。
幾らでも研究費を学外から取り、成果を社会に還元した方が、勝ちでしょう。勝っている方に学生がつくか、単位が甘い方につくか。それは、別の次元ですけど。
sionoiri
2005/12/05 12:32
研究開発は直接経済的利益に結びつかない分野もあります。例えばニュートリノの研究とか火星探検とか。ですから、一概に民間資金にまかせよとはいきません。また、埋もれていた研究成果が後で全く別の需要から製品化されたりすることもあるわけです。

逆に西澤潤一博士は東北大に半導体研究所を作るなど産学協同を進めてきました。

またあまり効率を求めると失敗をおそれて大胆な研究が減るということもあります。
また、失敗したことも成果であるわけです。少なくともその方法は駄目だったということが検証されたわけですから。日本の防衛関係だと失敗したデーターは処分したりしまいますが、これは何もしないよりもたちが悪い税金の無駄遣いです。失敗例から後進が学ぶことは多数あります。
キヨタニ
2005/12/05 14:19
最も重要なのは研究の評価を行える人間の育成だと思います。先の西澤博士も光ファイバー発明の時、日本の学会から「外国で例がない」「文献にない」と認められず、そのすぐ後に
米コーニッグ社が特許を押さえてしまいました。このような外国頼みは最近は減りつつありますが、海外の学説をあたかも自分の学説のように述べる学者も少なくありません。特に文系ではその傾向が強いです。

まあ、業績評価は学内だけではなく、学外も含めて「政治力」と関係ないところで目利きの人間を選んで行って欲しいものです。
キヨタニ
2005/12/05 14:20
>光ファイバー

 古くは、八木アンテナもそうでしたね。
 客観的評価というのは、これまた難しいと思います。ニュートリノ研究の小柴名誉教授は、受賞の際の記者会見で、「自分の研究は百年経っても(産業等の)役に立たない」と言い切りましたが、だからといって無用の研究ではない。じゃぁ、どうすればいいかというと、これまた分りません。
 ある程度、イグノーベル賞になることを覚悟の上で、学術研究には死に金も必要なのでしょう。しかし、マル系が未だに生き延びている人文科学には、ゼニを惜しみたい(私も、人文系出身なのですが)。
土門見人
2005/12/05 21:50
 レーダーも原理が発見された頃、実用化は21世紀なると言われていたものです。
 また芸術でも印象派も当時はひょうかされませんでしからねえ。
 まあ、法政大なんか未だにマル経学者が幅をきかせているし。こういうところに公費がつぎ込まれれるのは問題ですねえ。
キヨタニ
2005/12/05 22:23
まぁ、時代が変化し、何時までにその研究
開発を納税者負担で行わねばならないなんて
いう理由は無いのです。
国家+科学技術(どんな研究)なるもんは、
究極で国家(幕藩)エゴとなる。

再三言うけど、極論すれば研究開発なるもんの
地球環境への良き合理性、種の永遠性への寄与
は、幻想であり、人間種が持つ原罪とも言えるのです。よって税による研究開発は意味が
ないことは言うまでもない。

やるなら、個人、コミニテーレベル、
国際研究開発機構及び研究マネジメントで
やるべし!どんな国家(幕藩体制)であれ、
個人の興味と関心に税を使うて研究開発するのは止めるべきである。
(個人、コミニテーでの研究開発は奨励す)





guest
2005/12/06 08:20
国がやらなくてはならない研究もありますよ。
基礎技術で偉く金がかかるけど、当面なんの役に立つかわからないもの。
宇宙開発も随分無駄遣いと言われましたが、巨大エンジニアリングの技術の発達に大ききく寄与し、炭素繊維、新合金、電子工学など多数の派生技術が産業化されています。
産業として成立してます。
キヨタニ
2005/12/06 13:10
いやぁ〜、僕の意見はね、
様々な分野の研究開発(基本的には種の永続性寄与は薄いけど)を国家(幕藩体制)を越えて「地球村」化し、趣味の「リアルネットゲーム」なる多国間研究開発機構的にして開発する
方向はどうかと言う提案なんですよ。

その方が各国(幕藩)納税者負担の軽減にもなるし、研究の果実が各国(幕藩)へ拡散しても
納税者負担に合理性が発生する。

現在のように、大和藩領民の納税者負担で
税が関与した成果の多くが、海外工場とか
合弁へ合法的に流れ、大和藩以外へ寄与
しているなんていう現実が納税者へ合理性が
あるとは、とても思えないからです。


guest
2005/12/09 06:36
それは国益があるかぎり限度があるでしょう。
それぞれ思惑がことなるし。
EUだって巧くはいっていないわけですから。
キヨタニ
2005/12/09 19:00

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