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zoom RSS やたらに漢字をひらがなに開くな!− アイに歯周病改善効果か 炎症抑制と岡山の研究所

<<   作成日時 : 2005/11/24 00:17   >>

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 この見出しを見て「アイ」って何だ?
 と思った人は多いのではないでしょうか。愛が歯周病を救うのか?
 記事を読むと、

 「あい染めに使う植物のアイの葉に、歯周病の炎症を抑える作用があることが分
 かったと林原生物化学研究所(岡山市)が21日、発表した。」
 とあります。

 藍ならば始めから藍と書けば、一言で足りるのに。
 これが常に字数の制限と戦うという宿命を負った新聞なら尚更でしょう。漢字をひらがなに置き換えることを出版界では漢字を「開く」といいます。
 ところが「ひらきすぎる」と何が何だか判らない文章になってしまいます。
 以前、某出版社の若い編集者から「もっと開いてください」といわれて、仰せの通りひらいたら、今度は、
「やっぱり意味がわからなくなりますから戻してください」
 といわれて、砂を嚼むような空しい作業をした覚えがあります。
 
 軍事や兵器関係でも同じような例が多数あります。
 新聞紙面によくでるのが「けん銃」。それから「りゅう弾砲」。

 これがモノを知らない子供や日本語に不慣れな外国人が読んでも「拳銃」と書いてあれば「ああコブシだから」ピストル、というのがすぐ判るでしょう。
 また榴弾砲とかいてあれば「榴」を辞書で調べれば「ざくろ」であることが判り、「榴弾」のイメージが掴めるでしょう。

 ところがひらがなに開くと訳がわからなくなります。

 ただ、個々の書き手が文体や時代に即して取捨選択をする場合はあります。

 例えばぼくも場合、自分のことを僕とは書きません。「ぼく」とかきます。僕とは元来下部、しもべという意味です。ですからしっくりこない。私とか自分というとこれまた何かしっくりこない。
 一言で言うと「今風ではない」とぼくが感じているからです。

 日本語は英語同様どん欲に新しい言葉を取り入れてく言語ですから、特に口語の変化は早いです。例えば彼氏とかクラブといった単語のイントネーションが10年前いまでは随分ちがってきてます。
 10年後には「〜する」が「〜汁」とか、「俺」が「漏れ」と表記されるようになっているかもしれません。すでに夕刊紙では2ちゃん用語が見出しを飾るようになっおります。

 ぼくはまた良いを「いい」と書く場合が多いのですが、これは現代の口語では「よい」と発音する場合が減っているからです。
 「良い」とかくと=よい、という音が連想される場合は意図的に開いています。

 ですが、公僕を「公ぼく」と書いたり、「不良」を「不りょう」と書いたりはしません。一人の書き手として自分なりに境界線を引いており、文体に整合性を持たせているつもりです。

 確かに明治時代の書物を今の人間がスラスラ読めることは少ないでしょう。
 ですが、頭の悪い国語学者らが選んだ当用漢字だけでことが足りるほど、日本語は単純ではありません。

 日本語は、同音異語が非常に多い国です。これでは漢字をやめてどんどんハングルだけにしているお隣の国のようなってしまいます。ぼくの名前のシンイチだって信一以外に真一、伸一、慎一、新市、進一、晋一、眞一、晋壱など多数にのぼります。

 何でもかんでもひらがなにするなら、いっそのこと拳銃はhandgun、 pistolとか榴弾砲はhowitzerと英語で書いた方が分かりやすかったり、辞書でも調べ易いでしょう。

 特に外国人が増えた現代では尚更です。漢字圏内の人間だけではなく、すべての日本語を学ぶ人にとって「開き」が多い日本語は悪文です。

 マスメディアや役所の公文書までこの幼稚な表現を取り入れております。
 これは文部科学省に責任を押しつければ自分たちは責任を負わなくて済む、というような感じを受けます。
 一種の愚民化にメディアや行政が手を貸していることになり、国益を著しく損ねております。

 必要な熟語は漢字で書くべきです。難しいならルビをふれば宜しい。
 

(共同通信) - 11月21日19時46分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051121-00000223-kyodo-soci

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コメント(10件)

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日本の政府絡みの漢字の使い方というものは、文部科学省(旧文部省)・経済産業省(旧通産省)・法務省の三省の綱引きですね。コンピュータと漢字を題材にしたどの本にも、この綱引き故の混乱が必ず載る。
これを追求しだすと、結局は旧仮名遣い旧漢字に行き着いてしまうのですが、やはり一人一人の選択に任せるべきものでしょうね。一律の制限など、土台不可能です。
ご指摘の「混ぜ書き」をこそ、止めさせるべきなんでしょう。学年ごとの学習漢字配当に縛られた挙句の混ぜ書きが、「けん銃」に違和感を持たぬ層を増やしているように思えます。
thin
2005/11/24 00:53
私も「ふ頭」とか「ら致」とかキライです。
マグロ王
2005/11/24 21:10
私も「ふ頭」とか「ら致」とかキライです。
マグロ王
2005/11/24 21:12
私も「ふ頭」とか「ら致」とかキライです。
マグロ王
2005/11/24 21:12
恐らくはこの議論が出た頃、ワープロやPCの能力が低く、数多くの漢字が網羅できない、という制約が頭にあったのかもしれません。
ですが現在ではハードの性能は飛躍的上がっています。それなのに、変換で出てこない漢字がある。特に中国の政治家などの氏名などが出てこないことが多く、商売上からも困ります。

ちなみにぼくの清谷の清の「月」は本来円です。小学生のころまでは「円」で通していたのですが。恐らく「小沢」とか「斉藤」という名字の人も同じことを経験しているのでしょう。
名前ってその人物のキャラクターのひとつなんですけどね・・・・
キヨタニ
2005/11/25 00:32
自衛隊の中の人が、「駐とん地」という表記はなんとかならないか、豚を飼ってるところと思われる、なんて嘆いていましたな。
Tammy
2005/11/25 23:22
 特に屯なんて、駐屯地ぐらいしかつかわないでしょうからね。
 外来語の言い換えを推進するより前に、漢字を使うことを推進する方が優先順位が高いでしょう。
キヨタニ
2005/11/25 23:50
マスゴミにひらがなにされて漢字って、一種漢字の中の「負け組」だと思います。使う機会が少ないから「屯」を「とん」と書くだなんて、目立たない子は学級に必要ないってのと同じ論理のような。だから「負け組ゼロへ」(笑)な政党は、「屯」を使ってあげてね(笑)。
すきや橋
2006/05/04 07:51
林原研究所が藍をアイと表記したのは植物名や動物の学名は科学の世界ではカタカナもしくはローマ字の場合はイタリックで表記するという原則にのっとったもので、指摘している一般的なカタカナに開くというのとは違うと思うのですが........
藍 アイの件
2006/07/17 06:21
ご指摘は一般論としてはそうです。
ですが、引用を見ていただければ、新聞が本来藍と書くべきところをアイとかいているわけです。
それから林原研究所も製品にかんしては藍と漢字をつかっております。
キヨタニ
2006/07/17 12:13

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